【中央時評】金正恩委員長はなぜ残忍なのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.02.23 08:01
最近、時代を知るために指導者の精神状態を見なければいけないという話をよく聞く。ある大統領がおかしいのは過去のトラウマのためであり、ある大統領は長期にわたり不動産事業をしたからそうなったということだ。このような解釈は直観的で明快だ。しかし問題は指導者の選択をすでに固まった性格と結びつける瞬間、前向きな目的のための努力自体を放棄することになりかねない。
世界で最も予測しにくく危険な人物は金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長だろう。自分の叔母の夫を処刑したうえ、今度は異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏を暗殺したという証拠が出てきている。その間100人以上の幹部を処刑し、軍幹部の階級章を外しては付けることを趣味のように繰り返す。こういう人物が統治する北朝鮮は核実験を5回もし、大陸間弾道ミサイルが完成する日も遠くはないようだ。さらに核先制攻撃も可能と言って脅迫する。メディアはあたかも「狂人」が核爆弾を握って揺さぶるように金正恩委員長を描写したりもする。
金正恩委員長は残忍だ。しかし狂人ではない。残忍な性格を統制できず国を食い尽くす可能性が見えたとすれば、父が彼を後継者にしなかっただろう。そして経済政策だけをみると全くのでたらめではない。金正日(キム・ジョンイル)総書記の時とは違って市場活動も認め、むしろこれを利用して税収を増やす瞬発力を見せたりもする。なら、金正恩委員長の精神的欠陥が残忍性につながり、これが北朝鮮を不安定にさせるという解釈には無理がある。これは我々の対北朝鮮政策を一つの方向に追い込む誤った結果につながりかねない。