「麻薬中間基地」になった韓国…「5キロ流通しても16万人使用分」

「麻薬中間基地」になった韓国…「5キロ流通しても16万人使用分」

2019年05月07日15時05分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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ソウル地方警察庁が昨年、麻薬密輸組織から押収したヒロポン(中央フォト)
  #.昨年11月、釜山(プサン)港に積まれたコンテナから不審な黒いかばんが見つかった。屑鉄の中に隠されていたこのかばんにはビニールで密封された麻薬が大量に入っていた。この日、税関に摘発されたコカインは計64キロ、200万人が投与できる分量だった。エクアドルからメキシコを経由して釜山港に入ったが、もともとは中国に密輸される予定だった。

  #.同年8月、ソウル西大門区(ソデムング)のワンルームマンションに警察と国家情報院の関係者が押し入った。麻薬を長期間保管中と疑われるワンルームだ。このワンルームにはヒロポン(メタンフェタミン)112キロ(300万人投与分)が保管されていて、この日90キロが押収された。タイのバンコク港を出発して韓国に入ったヒロポンは当初、日本など海外に渡る予定だったが、一部は韓国にも流通した。

  韓国が麻薬密輸の「中間経由地」として世界麻薬商のターゲットになっている。韓国を経由する麻薬の一部が国内に流通し、経由地でなく麻薬消費国になるのではという懸念が生じている。

  すでに麻薬清浄国というタイトルは過去のものになった。通常、人口10万人あたり麻薬事犯が20人を超えない場合に麻薬清浄国に分類されるが、人口5000万人の韓国の麻薬事犯はすでに2015年から基準ラインの1万人を超えている。昨年も麻薬事犯で1万2613人が逮捕され、今年も麻薬集中取り締まりなどで1万人を大きく上回る見込みだ。

  ◆「麻薬清浄国」がむしろ世界麻薬商のターゲットに

  韓国が麻薬の中間基地になったのは皮肉にも麻薬清浄国に分類されていたからだ。すでに麻薬供給国として世界捜査機関の注目を受けている東南アジア、中国、台湾などから特定国に直接密輸するより、安全と認識されている韓国を経由すればリスクが減ると考えられている。警察関係者は「韓国税関の麻薬を取り締まる技術が不足しているわけではないが、すべての人や貨物を点検するのは事実上容易でない」とし「ひとまず韓国に麻薬を持ち込めば、その後は中国や日本などに流通させたり、いざという時には韓国に流通させればよいという認識が麻薬密売組織に広まっているようだ」と伝えた。

  このように持ち込まれた麻薬は実際、一部が韓国国内に流通したりもする。海外に密輸する前に一部を国内の麻薬商に渡す形だ。特に専門家は外国のメッセンジャーなどを通じて取引を活性化し、国内でも麻薬需要がかなり増えていると把握している。過去に芸能人など一部の専有物だった麻薬が学生や主婦、会社員など一般の人に広まったということだ。

  イ・ジュマン警察庁麻薬捜査係長は「水面上に表れない規模が大きく、国内麻薬流通量を正確に診断するのは難しい」とし「麻薬組織員もお互いを知らない点組織形態であり、使用者を検挙しても胴体まで追跡するのは容易でない面がある」と話した。ソウル地方警察庁広域捜査隊の関係者は「国内に中間経由で入ってきた麻薬のうち5キロだけが流通しても16万人が投与できる分量がまかれることになる」とし「空港や港湾などで早期に摘発してこそ流通を減らすことができる」と述べた。

  麻薬密輸ルートが多様化するのも問題だ。かつて韓国に入ってくる麻薬はほとんどが「中国発」だった。ところが最近は東南アジアや台湾などから麻薬が入ってくる事例が増えている。中国が麻薬密輸犯を極刑で処罰するなど取り締まりが強化され、大量密輸が減ったと推定される。

  最高検察庁麻薬犯罪白書によると、中国人麻薬密輸犯は2017年が89人で、密輸犯全体の47.9%だった。前年比で18%ポイント減少した。一方、タイ人の密輸犯は2013年には1人もいなかったが、2015年に13人、2017年には75人に急増した。検察関係者は「東南アジア地域の新種麻薬『ヤーバー』などが国内にも流通し、東南アジア密輸犯が検挙される事例が増えている」と説明した。

  ◆「国境での遮断と長期的な予防措置が核心」

  こうした中、韓国国内では「麻薬との戦争」が始まっている。バーニングサン事件などで麻薬イシューが浮上し、警察が集中取り締まりに入った。警察庁によると、2月25日から2カ月間に全国で麻薬類事犯1746人が捕まり、585人が拘束された。うち麻薬使用者や売買人などの麻薬犯は1677人(566人拘束)で、性犯罪者や不法撮影物を流布した犯罪者も69人が検挙された。歌手パク・ユチョン(33)、放送人ロバート・ハリー(61)、南陽乳業創業者の孫ファン・ハナ(31)など有名人はもちろん一般の人も多い。

  しかしこれは最近になって麻薬事犯が急増したというより、警察の積極的な捜査で犯罪が水面上と出てきたという見方が多い。パク・サンジン建国大警察学科教授は「麻薬使用者の検挙も必要だが、国内に中間経由などで入ってくる麻薬を早期に摘発する『国境ライン遮断』がもっと重要だ」と述べた。スン・ジェヒョン韓国刑事政策研究院国際協力チーム長は「中間経由地を越えて麻薬消費国に入る段階という点を認めなければいけない」とし「単なる検挙実績よりも、国レベルで麻薬の弊害をきちんと知らせ、再犯率が高い麻薬犯を治療の観点で管理し、麻薬の需要を長期的に減らしていく対策が必要だ」と助言した。
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