【社説】27カ月ぶりウォン安ドル高、経済不安の拡散を防ぐべき=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.05.07 08:36
ウォン安ドル高が急激に進んでいる。連休直前に1ドル=1170ウォンで取引を終えた。2017年1月以来27カ月ぶりのウォン安ドル高だ。こうなれば証券市場にも影響が及ぶ。外国資本が投資利益を回収する際、為替差損を懸念して株式を売って離れていくからだ。1997年のアジア通貨危機、2008年のグローバル金融危機当時にも見られた。最近のウォン安ドル高を軽視してはいけない理由だ。残念ながら韓国経済は今どこを見ても良いところがない。1-3月期、投資・生産・消費・雇用・輸出の5大核心経済指標にすべて赤信号がついた。経済不振が急激なウォン安を招いているのだ。さらに4日には北朝鮮の飛翔体挑発で地政学的リスクまでが高まり、さらなるウォン安が懸念される。
問題は改善の兆しが見えない点だ。政府は3月に生産・消費・投資がすべて反騰したことを受けて「景気の流れのモメンタムが良い」と発表したが、比較対象の前月が低調だったことによる一時的な反騰という分析が多い。1-3月期全体では成長率がマイナス0.3%に後退する成長率ショックがあった。何よりも韓国経済を支えている輸出が良くない。昨年12月に表れた輸出減少が先月まで5カ月連続で続いているのは、韓国経済のファンダメンタルズが大きく揺れているという傍証だ。
さらにトランプ米大統領が中国に対してまた関税賦課を検討すると主張し、上海株式市場は昨日5%以上も暴落した。輸出環境の不確実性は高まるしかない。結局、国際貿易が冷え込み、被害はそのまま韓国に及ぶ。米国は先月の失業率が3.6%と半世紀ぶりの最低水準になるなど好況が続いている。中国も成長率が懸念されているが、実際に1-3月期の成績を見ると6.4%と堅調な推移を見せた。