韓国政府が経済成長政策の二本柱として所得主導成長と革新成長を前面に出しているが、国内企業部門の革新力量は主要国に比べて大きく後れをとっていることが分かった。韓国はインターネット速度や情報通信技術（ＩＣＴ）の水準は世界最上位だ。しかし、国内の人材が研究した技術を産業部門に活かせていないうえに、政権が交代されるたびに成長政策が変わるため革新力量が後退したという指摘だ。

韓国貿易協会国際貿易研究院が１５日、発刊した「２０１８世界の中の大韓民国」によると、韓国の今年の企業革新力量（スイス国際経営開発大学院国際競争力評価基準）は３１位で、中国（１９位）・日本（２８位）に大きく遅れをとっていることが分かった。５年前には１９位だったが、その間順位が大きく下落した。産学協力部門の競争力は２９位、海外高級熟練人材の誘引指数は４９位といずれも低調だった。特に、昨年を基準にした国際貿易収支は４位、交易量は９位である韓国の経済規模に比べると、革新力量は非常に脆弱という評価だ。

専門家らは韓国が世界最高水準の研究開発（Ｒ＆Ｄ）への投資を行っているが、企業の革新力量が不足しているのは学界の研究成果が産業界に広がらないためだと指摘する。韓国のＲ＆Ｄ投資は対国内総生産（ＧＤＰ）比４．２３％（２０１６年）で、世界２位となっている。これを通じて開発された国際特許（ＰＣＴ）は２０００年１０４４件から昨年１万４５３８件に大きく増えた。このため、企業はすでに開発された新技術を事業化できるかを改めて検討する必要があるという意味になる。

特に、過去から続いてきた政府の新成長動力育成政策が政権が交代されるたびに頻繁に変化した点も革新力量の下落に影響を及ぼしたという分析もある。現代経済研究院のオ・ジュンボム専任研究員は「政府ごとに新しい成長動力を選定して政権が交代されると見直すことが繰り返されてきた」として「中・長期的な科学技術の基本計画は世論や政治的敏感性に動揺せず、支障なく履行される必要があるだろう」と強調した。