2005年春、ハリウッド脚本家J・マイケル・ストラジンスキーは、ロサンゼルス市庁に通う友達からとんでもない電話をもらう。市役所地下室の昔の資料を焼却していたところ事実とは信じがたい記録を見つけたというのだった。「クリスティン・コリンス事件」に対する市の聴聞会資料だった。1928年3月、シングルマザーであるクリスティンの9歳の息子ウォルターが失踪する。5カ月後、警察は記者たちを呼び、まったく違う子をウォルターだと言って押し付ける。クリスティンが「私の息子ではない、本当の子を捜してほしい」と食らいつくと精神病院に閉じこめてしまう。ようやくそこを抜け出したクリスティンは本当に狂ったように事を始める。市長と警察署長を告発したのだ。ウォルターが殺害されたのかもしれないという話にも彼女は止めない。市民の力を借りて、無能と腐敗の象徴だったロサンゼルス警察を根こそぎ覆す。ストラジンスキーは「この労働者階級の女性の偉大な闘いを称えよう」とシナリオを書いた。映画「チェンジリング」だ。