北朝鮮の食糧事情が厳しいという点には異議がない。昨年7月、北朝鮮南部の5道が大洪水に見舞われて栽培面積が顕著に減少したことに加え、06年9月から国際市場の穀物価格が2~3倍上昇し国際社会からの支援物量が大幅に減ったからだ。したがって、北朝鮮が自主的に行ってきた食糧輸入も減った。三重苦なわけだ。北朝鮮の主な穀物の輸入先だった中国も自国の食糧不足により、輸入クオータ制度を作った。支援も切れた状態だという。
政府当局者は「北朝鮮が中国に食糧15万トンの支援を要請したが、中国省庁間の隔たりのために数カ月間支援が行われずにいる」と述べた。「良き友人」によると、平壌と元山(ウォンサン)、新義州(シンウィジュ)、南浦(ナムポ)、沙里院市場でのコメ価格も最近1キロ=2000ウォン以上で、前年同期に比べ2~3倍上昇したという。90年代半ばのいわゆる「苦難の行軍」で60万~70万トンの食糧が不足した当時も大勢の餓死者が出た。