昨年テレビのバラエティー番組ベストヒット商品はＭＢＣの『無限に挑戦』だ。世代を問わず爆発的人気を享受し、国民バラエティー番組のひとつとなった。そしられたこともあった。一部のエピソードが日本のフジテレビ『ＳＭＡＰ×ＳＭＡＰ』と類似しているというのだ。『無限に挑戦』チームを進行者としたＭＢＣ『歌謡大祭典』オープニングは、日本のグループＳＭＡＰのコンサートオープニング映像を盗用したという疑惑も受けた。

『無限に挑戦』は６人の男性が与えられた課題を解決しながら競う番組だ。皆どこか足りない幼稚な人物たち。挑戦課題も大きなものよりささいなものだった。大部分は取るに足りない特に意味のないものだ。

『無限に挑戦』の人気は成人文化の幼児化と行為の合目的性に対する否定を示す。６人の男性のなんだかんだと言う姿はまさに小学生水準だ。「よし、行くんだ」「死なないぞ」などと言いながら不屈の精神を見せるが、いざやることは、あまりにも退屈だからしてみるといったいたずらのようなものだ。このようにちょっとした課題に死ぬだ生きるだ命をかける設定は、しばらく韓国のテレビ番組を支配した“共益バラエティー”の伝統と決別するのだ。善行をしたり交通秩序を守ったりして模範市民に褒賞するキャンペーン性のバラエティー番組、あるいはバラエティーにも意味とメッセージがなければならないという啓蒙主義的バラエティー番組だ。一様に２等人生のキャラクターである上、崩れる次元を超えて実際の自分の身を酷使することも大衆に妙な快感を抱かせた。

しかし新年初頭『無限に挑戦』が与える最大の教訓は協同的チームプレーと合理的リーダーシップにある。バラエティー番組への集団ＭＣ体制は目新しくないが、『無限に挑戦』はチームプレーの模範を見せた。徹底的に役割を分担し、キャラクターや笑いを誘発する方法も相互依存的だった。たとえばパク・ミョンスをデビュー１４年ぶりに人気頂上に上げた“どなりギャグ”も相手がいればこそ可能なリアクションギャグだった。そこでは君臨しないメインＭＣのユ・ジェソクが一役買った。メンバーたちがドタバタする無限の攻防をコントロールした。自分を前に立たせるより他人の長所を引き出して、メンバー間の対立を触発しながらも縫合するリーダーシップだ。こんな調律者としてのリーダーシップと協同的チームプレーが、平均以下“取るに足らない”キャラクターが集まった『無限に挑戦』の成功の秘訣だ。新年初頭、新体制が組まれる韓国社会が耳を傾けるに値する教訓だ。