27日午前9時ごろ、京畿道城南(キョンギド・ソンナム)のソウル空港。曇った空の中から、アシアナのチャーター機3623便が姿をあらわした。東南アジアに滞在していた北朝鮮脱出者およそ200人を乗せて、5時間にわたって飛んできた旅客機だった。数分後、3~4回のごう音をあげて、旅客機は滑走路に着陸した。これを見守っていた政府当局者は、ようやく安どした。7カ月間にわたる秘密プロジェクトがついに成功する瞬間だった。
◇7カ月間にわたる秘密交渉=これまで、政府の北朝鮮脱出者政策は「入国要請があれば最大限に受け入れる」とのことだった。今回のように政府が直接出て、北朝鮮脱出者を連れてくるのは、全く論外の懸案だった。しかし、昨年、北朝鮮脱出者が中国の取り締まりを避けて、東南アジアに大挙南下して以降、政府の悩みは始まった。