<創刊企画「大韓民国トリガー60」㊻>「私より給料多い」 朴正熙大統領が迎えた科学者18人、K技術の始まり(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.11.04 15:33
当初、KISTは産業技術の開発が目標だった。企業から必要な課題を受注して研究する契約研究機関だった。その後に設立された政府出資研究所もほとんど変わらなかった。産業発展が急がれた当時は基礎科学研究は後回しになるしかなかった。崔亨燮博士の回顧録にはこのように書かれている。「李輝昭(イ・フィソ)博士から自分も研究所で仕事をしてみたいという手紙を受けた。私はKISTはまだ基礎研究をする段階ではなく、ノーベル物理学賞の対象になっている李博士はもう少しそこで研究をするのがよいと返信した」。
大企業が独自の研究開発能力を備え、国が先進国の敷居を越える頃になると、国家的な基礎科学研究の必要性が台頭した。このようにして2011年に基礎科学研究院が創設された。ドイツのマックス・プランク協会や日本の理化学研究所のようにノーベル賞受賞者を多数輩出する研究機関をベンチマーキングし、世界最高レベルの基礎科学研究環境を作るのが設立目標だった。3年にすぎない他の研究院とは違ってIBS院長の任期は5年で再任も可能にした。破格的な研究資金も確保された。