【社説】トランプ大統領の訪韓、北朝鮮の核を認める契機になってはいけない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.10.27 15:19
トランプ米大統領がまた北朝鮮の核を認めるような発言をした。トランプ大統領は24日(現地時間)、アジア訪問に向かう機内で「北朝鮮は一種のニュークリアパワー(Nuclear Power、核兵器を保有する国)と考える」と述べた。「北朝鮮が自国をニュークリアパワーと認めてこそ対話に応じるというが、これに開かれた立場か」という記者の質問に対する返答だった。トランプ大統領は「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と『個人的に良い関係』を維持している」とも繰り返し強調した。米国政府の公式政策基調は依然として北朝鮮の非核化だ。こうした点でトランプ大統領の今回の発言は、29日から予定された1泊2日の訪韓期間中の金委員長とのサプライズ会談に向けた誘引策である可能性が高い。トランプ大統領は「金正恩委員長が私と会うことを望むのなら、私は開かれた立場だ」とも話した。
問題はトランプ大統領の個人的な計算が北朝鮮の核を事実上認める方向に進みかねない点だ。金委員長は先月の最高人民会議で演説し、「米国が非核化の執念を捨てて現実を認めれば我々も米国と向き合えない理由はない」と述べた。米国が北朝鮮の核を既成事実として受け入れれば朝米首脳会談も可能ということだ。北朝鮮はトランプ大統領の今回の「ニュークリアパワー」発言を自らの要求が受け入れられたと解釈する可能性もある。ノーベル平和賞を狙うトランプ大統領が各種国際紛争の解決を政治的功績として前面に出す過程で北朝鮮の核問題を活用する可能性もある。