トランプ米大統領を相手に訴訟に率先したニューヨーク州のレティシャ・ジェームズ司法長官が、銀行ローン関連の詐欺疑惑で起訴された。

バージニア州東部連邦地検は9日（現地時間）、バージニア州連邦大陪審がジェームズ長官を銀行詐欺、金融機関への虚偽報告などの容疑で起訴したと明らかにした。容疑が有罪と認められる場合、容疑1件あたり最高30年刑、最大100万ドル（約1億5000万円）の罰金刑が可能だと、検察は明らかにした。

これに先立ちジェームズ長官は2022年9月、トランプ大統領とトランプ・オーガナイゼーション（以下、トランプグループ）が銀行と保険会社から有利な取引条件を受けるため保有資産価値を虚偽申告したとし、ニューヨーク州地裁で民事訴訟を提起した。トランプ大統領はジェームズ長官が政治的な理由で自身の法的権利を侵害したと明らかにした。

トランプ大統領の再選後、米司法省はジェームズ長官を相手に住宅ローン詐欺疑惑関連の捜査に着手し、「司法システムの政治武器化」という声が出ていた。

ニューヨーク州1審裁判所はトランプ大統領が銀行から融資を受ける際に資産を虚偽申告して不当な利益を得た事実を認めて3億5500万ドルの罰金を宣告し、その後、利子が加算されて罰金額は約5億ドルに増えた。

しかし2審裁判所は8月の判決で、トランプ大統領が資産を虚偽申告して不当な利益を得た容疑を認めながらも「罰金額が過度に多い」としてこれを取り消した。

ジェームズ長官は2審の決定に対して上告した状況だ。