【コラム】国際社会の笑いものになった北朝鮮の意思決定
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.16 15:02
北朝鮮の意思決定は複雑だ。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が最高権力を握るが、多くの意思決定は組織の激しい競争を経る。筆者が平壌(ピョンヤン)に大使として勤務した当時にも激しい競争構図を目撃した。外国人が北朝鮮側に資金を支援する外貨のにおいがあれば、それぞれの組織間で争いが生じた。
レセプション行事で会った北朝鮮軍の幹部は「英国大使館がプロジェクトパートナーとして別の組織を選んだ」と憤慨し、自分たちと手を握るべきだったと主張した。外国企業家が北朝鮮のある組織と交渉がうまく進行し、平壌に到着したところ、全く違う組織が従来の組織を抑えて事業を進めたという事例も聞いた。このように北朝鮮政権内部で組織の競争は単純に混乱を招くだけではなかった。他の国ではヤギやブタを果樹園で放牧するケースが多い。落ちた果実の処理にヤギやブタが適切であり、果樹園主にもよい。しかし北朝鮮では果樹園は農業部が、家畜は家畜部が担当するため、2つの部はこの部分で協力しない。