【コラム】中道のための国はない=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.05.12 16:09
映画ファンなら『ノーカントリー (No counry for old men)』という映画を記憶しているだろう。映画の概要は警察、犯罪者、殺し屋が金が入ったカバンをめぐり繰り広げるむなしく奇異な追撃物だが、その裏にあるメッセージは陰鬱だ。米国の作家コーマック・マッカーシーの原作で捕捉される現代社会の現実は、倫理が崩壊して偶然と暴力、盲目が支配する荒涼な世の中だ。
映画の中の殺し屋アントン・シガーが象徴するように世の中は名分のない暴力と混沌に満ちている。根拠も目的も分からない不条理が横行し、規範は忘れられている。現実がこうであるため、生活の知恵を持った高齢者(old men)は理解も適応もできない無秩序の世界が繰り広げられる。