韓国国家情報院がＳＫテレコム（ＳＫＴ）のサーバーハッキング事態に関連し、政府全部署や公共・傘下機関にＳＫＴのＵＳＩＭ交換を勧告したことが確認された。各部署は内部と傘下機関に関連内容を伝えるなど後続措置に乗り出した。

国家情報院は２９日、政府１９部署と全国１７の広域自治団体・教育庁に前日、ＳＫＴネットワークを使用する業務用端末・機器のＵＳＩＭを交換するように伝える内容の公文書を送ったと明らかにした。

国家情報院は公文書で▷無線通信網基盤の動画信号伝送と交通信号制御用、遠隔計測・検針などに利用されるＬＴＥ（４Ｇ）・５Ｇルータ（共有機）のＵＳＩＭ交換▷業務用携帯電話・タブレット、４Ｇ・５Ｇエッグ（ポケット型ＷｉＦｉ）などモバイル端末機器のＵＳＩＭ交換－－などを勧告した。

あわせて、ＵＳＩＭ交換前まで業務用端末・機器を対象に『ＵＳＩＭ保護サービス』付加サービスへの加入のほか、法人名義の多数登録機器の場合には一括措置方案を講じるように求める要請事項も伝達したという。

これに伴い、外交・統一・国防部は一部の業務用携帯電話、タブレットなどモバイル機器のＵＳＩＭをすでに交換をした。外交部当局者はこの日記者団と会い、「現在１次交換は完了し、残りの２次交換もＳＫＴ側と日程を協議中」と話した。

科学技術情報通信部はこの日、ＳＫＴハッキング事故を調査中の官民合同調査団（調査団）が１週間調査した内容を発表した。攻撃を受けた情況のあるＳＫＴの３種類サーバー５台を優先調査した結果、流出情報は電話番号と加入者識別番号（ＩＭＳＩ）、基本キー、事業者認証キーなど合計４種とＵＳＩＭ情報処理などに必要なＳＫＴ管理用２１種だった。

携帯電話を識別するために機器ごとに付与される固有の番号や端末固有識別番号（ＩＭＥＩ）の流出はなかったことが確認された。これは今回のハッキング事故の最悪のシナリオに挙げられている「ＳＩＭスワッピング（ＳＩＭ　ｓｗａｐｐｉｎｇ）」の可能性が低くなったことを意味する。ＳＩＭスワッピングはＵＳＩＭを複製して別の携帯電話に挿入し、認証などを盗み取って金融詐欺を行う犯罪をいう。

調査団は攻撃情況がなかったサーバーに対しても調査を拡大している。個人情報保護委員会の崔壯赫（チェ・チャンヒョク）副委員長はこの日、２０２３年ＬＧ　Ｕ＋に課徴金６８億ウォン（現レートで約６億７５００万円）を賦課したことに言及して「個人情報保護法改正以前だった当時には、関連売上の３％だけを課徴金として賦課した」とし「（今回のハッキング事態は）次元が違う」と話した。

２８日一日の間に、ＳＫＴ加入者３万４１３２人が別の通信会社に離脱した。