【コラム】尹錫悦の失敗から確認しておくこと
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.04.22 16:10
尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領がソウル漢南洞(ハンナムドン)官邸を離れる時、凱旋将軍のようだった。戒厳という大事故を起こして追い出される姿ではなかった。謝罪と承服のメッセージは一言もなかった。任期を満たせなかったことについては「どっちみち5年であれ3年であれ」と話した。無責任だけでなく精神世界の根底を表す赤面するような発言だ。数日前は支持層に向けて「みなさんのそばを守る」と言った。自身の体一つ守るのも難しい状況で誰が誰を守るというのか。極右に囲まれて大きな錯覚をしているようだ。冷厳な現実にあえて背を向けているのか。奇怪な状況認識、限りない自己合理化を眺めながら「本当に危険な人物に国を任せた」という考えになった。
尹氏がドラマチックに大統領になってから退場するまでの間、国はさらに分裂した。国政は崩れた。失敗を繰り返さないためには、いくつかの点を確認しておかなければいけない。1つ目、大統領をよく把握して選ぶことだ。途方もない権限が与えられるだけに検証された人が必要だ。善良な心を持って始めても権力を握ると変わるのが人間だ。性格が重要だ。尹氏を選ぶ時、指導者の徳性を備えているかを確かめなかった。よく知らないという不安感は選挙の歓呼に埋もれた。「人に忠誠を尽くさない」という粋な言葉にだまされたということだ。