米国のトランプ政権が、米国人が結婚して多数の子どもを持つことを奨励するための対策を模索している。

２１日（現地時間）のニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）によると、ホワイトハウス参謀は出生率を高めようとする各種団体から出生率を改善するための政策提案を受けている。

参謀が受けた提案には、政府が後援する奨学制度フルブライトプログラムの奨学金全体のうち３０％を既婚または子どもがいる志願者に割り当てるという案がある。出産したすべての妊婦に現金５０００ドル（約７０万円）を「ベビーボーナス」として支給するという構想もある。

女性が排卵と妊娠が可能な時期を理解できるよう月経周期に関して教育するプログラムに政府の予算を投入する案も挙がっている。

トランプ政権の当局者が実際にこうした少子化対策を施行するかどうかはまだ確実でない。ただ、Ｊ・Ｄ・バンス副大統領やイーロン・マスク氏など政府関係者が少子化問題に関心を見せていて、トランプ大統領も今後これを主要議題として扱う可能性があると、ＮＹＴは報じた。

トランプ大統領は先月２６日にホワイトハウスで開かれた「女性史月間」記念行事で、体外人工受精（ＩＶＦ、試験管）支援政策を紹介しながら自らを「受精（ｆｅｒｔｉｌｉｚａｔｉｏｎ）大統領」と語った。

ダフィー運輸長官は出生率と婚姻率が国家平均より高い地域に交通予算を優先して配分すると述べたが、ダフィー長官は９人の子どもと１０人の兄弟姉妹がいる。

統計機関のワールドオーメーターによると、現在、米国の人口は約３億４７００万人と推定され、２０２３年基準で米国の合計特殊出生率は１．６２人と、韓国（０．７２人）の倍だ。

しかしこの数年間、米国では高齢化する人口と社会安全網を支えるには２００７年から下落傾向にある出生率を高める必要があるという認識が強まった。

これを受け、出生率を高めようとする団体の動きも活発になったが、少子化問題への接近方式には差がある。

キリスト教保守主義者は、政治と大衆メディアが伝統的な家族を軽視し、女性の職業を子どもの世話より優先するよう奨励したため、出生率と婚姻率が減少する文化的危機が発生したとみている。

彼らは結婚と大家族の重要性を強調するが、彼らがいう家族とは男性と女性の結婚を通じて形成される家族を意味し、伝統的な性別の役割や構造に合わない家族は排除すると、ＮＹＴは説明した。

半面、いわゆる「出生促進論者（ｐｒｏｎａｔａｌｉｓｔ）」は新しい生殖技術など多様な方式を動員して子どもを多く産むことに関心がある。

体外人工受精を通じて複数の子どもを持つマスク氏のような人は体外人工受精を強く支持するが、堕胎に反対するキリスト教保守主義者の多数は体外人工受精の過程でヒト胚を失うことがあるという理由などで否定的だ。