【コラム】弾劾であれ復帰であれ「政治報復」はやめよう=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.03.17 15:32
すなわち、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾審判の宣告だ。認容(罷免)であれ棄却・却下(職務復帰)であれ、後遺症の危機を避けることは難しい状況だ。「危機」を最もしっくりくる形で定義してくれた言葉は「古いものは死んでいき、新しいものはまだ生まれていない状況」(イタリアの哲学者アントニオ・グラムシ)のように思う。革命であれ弾劾であれ、選挙であれ改革であれ、以前の不条理や矛盾、弊害をなくすこと自体が望ましい進化だ。しかし、その「積弊」というものをなくした空き地に、新しい制度や文化を植え付けて根を下ろすことができなければ、以前の問題はまもなくゾンビのように蘇ってしまう。未来への希望なくして過去の悪循環が明らかに予見される状況、それが危機だ。
まず、尹大統領が戻ってきた場合。そうなれば、「残りの任期にこだわらず、改憲をするのが最後の使命」という自身の最後弁論どおり、迅速な早期改憲後に締めくくることが危機克服の道だろう。2年以上残った任期を全うするには、すでに多くの国民の信頼は弱まっている。戒厳のためだけではない。これまで見せた頻繁な独善、知恵・資質不足など、彼の大統領としての資格への疑問は消えなかったためだ。動力が落ちる国政推進力に国の外交・経済的損失は大きな負担にならざるをえない。