韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領弾劾審判宣告が迫っているという予測で、オン・オフラインに弾劾認容・棄却を巡って各種「賭け」が広がっている。２０１７年、朴槿恵（パク・クネ）元大統領弾劾可否を占う不法ＴＯＴＯサイトが登場して以来８年ぶりだ。

１６日、オンラインコミュニティには弾劾審判の結果にお金をかけて友人や知人などと賭けをしたというコメントが多数掲示されている。ある人は「友人と１０万ウォン（約１万円）の賭けで『愛国ベッティング』（弾劾棄却）をした」とし「友人は自分が支持する候補が（早期）大統領選挙で当選するだろうと話した」というコメントを載せた。別の人は「弾劾に１０万ウォンをかけるので、一緒に賭けをする方を探している」と書き込んだ。

尹大統領弾劾審判が歴代大統領のうち最長期間を越えて結果の予測に関心が集まった影響だ。週末に弾劾賛成・反対集会に参加した参加者も憲法裁判所の決定をスポーツスコア形式で予測した。弾劾反対集会の司会者は「祭りを練習しなければならない。憲法裁判所で尹大統領弾劾を４対４で棄却した」として呼応を誘導した。賛成集会では「８対０で罷免」というスローガンを叫んだ。

◇尹大統領の弁護人が元法制処長に「１００万ウォン賭け」提案も

弾劾に対する賭けを公開的に言及して「不幸で厳重な事案を戯画化している」という論争を起こした事例もある。尹大統領の法律代理人である石東炫（ソク・ドンヒョン）弁護士は先月フェイスブックに投稿した書き込みで、元法制処長の李石淵（イ・ソクヨン）氏に対して「李処長は弾劾認容、私は弾劾棄却でひと勝負しようではないか」とし「私は勝っても負けても１００万ウォンを、李処長は負けた場合のみ放送局出演料の相当額をそれぞれ社会福祉共同募金会に寄付しよう」と提案した。

不法弾劾ＴＯＴＯに対する関心も復活した。海外私設サイトにベッティングする方法や手数料などを質問するコメントがオンラインコミュニティに掲示されている。世界最大のベッティングサイト「Ｐｏｌｙｍａｒｋｅｔ」では尹大統領弾劾結果を巡り、この日基準約１５２０万ドル（約２２億５８３０万円）規模が賭けられている。昨年１２・３非常戒厳直後に登場した「尹大統領が４月以前に弾劾されるか」というベッティングで６５％が「ＹＥＳ（弾劾される）」に賭けた状態だ。このサイトは２０２０年に設立された仮想通貨基盤のベッティングサイトで、選挙や国際イシューなどを予測して利益を得ている。

これに先立ち、２０１７年朴槿恵大統領弾劾審判の時も私設不法ＴＯＴＯサイトが盛んに立ち上げられたことがある。続く大統領選挙でも各候補に配当金を差別策定した不法賭博サイトが登場した。韓国では国民体育振興公団が運営するスポーツＴＯＴＯを除くベッティング（上限額：一人につき１０万ウォン）サイトは不法だ。法務法人「曠野（クァンヤ）」のヤン・テジョン弁護士は「海外サイトを通した迂回ベッティングも刑法上賭博罪で処罰を受ける場合がある」と話した。

敏感な政治状況に賭ける行為が社会的な認識に否定的な影響を及ぼすという指摘もある。慶煕（キョンヒ）大学政治外交学科のユン・ソンイ教授は「政治は対話を通じて代案を探す過程だが、ベッティング行為は勝ち負けの結果だけに没頭させる」としながら「賭け金のために意図的に特定候補に投票する可能性などを考慮すると、選挙の本質的な機能も傷つけかねない」と指摘した。