【コラム】北京ロボット・マラソンが予告する中国ロボットの「ディープシーク・モーメント」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.03.10 15:02
今年1月、中国最大の大型連休の春節ガラショーで杭州のロボット企業ユニツリー(宇樹科技)はヒューマノイド・ロボット舞踊団を披露した。音楽に合わせて左右に移動しながら、両手でハンカチを素早く360度回し、空中に投げて再びキャッチするなど、人だけでなく、これまで公開されてきたどのロボットよりも曲芸に近い動作をミスなくやり遂げた。これに留まらず、先月はCES2025で注目を集めたヒューマノイド・ロボットG1のカンフー動画を公開した。しなやかで繊細な手の動作と、シャープで敏捷な回し蹴りを連続的に見せながら、世の中を驚かせた。そして3月、中国最大の政治行事の両会で、中国指導部はAI(人工知能)やヒューマノイド・ロボットなど先端技術の成果を集中的に称えた。AIだけを得意としていると思っていた中国が、いつの間にヒューマノイド・ロボットも得意とするようになったのだろうか。どういうことなのか。
中国のヒューマノイド・ロボットの最大の競争力は「実戦経験」だ。研究室の中だけに留まらず、工場で、街で、舞台で転んでぶつかりながら蓄積したデータとノウハウが最大の長所だ。2016年に設立された中国・深センの代表的なヒューマノイド・ロボット企業のUBTECH(優必選科技)は、今年世界で初めて自社のロボット・ウォーカーをチーム単位で電気自動車企業ジーカーの生産ラインに導入した。動画で公開されたヒューマノイド・ロボットはまるで人間の労働者のように部品を互いにやりとりし、大きな物は一緒に持って移動する姿を見せた。おかげで作業の速度と正確度が大幅に改善されたという。怪我をする危険がある段階の作業は全面的にロボットチームが遂行するため、勤労者の負傷リスクは顕著に減った。昨年設立されたばかりの後発走者のAgibot(智元機器人)の歩みはさらに果敢だ。ソフトウェアからハードウェアまで主要技術を独自開発しただけでなく、オープンソースとして公開した。その上、完成品の他にもモジュール別DIY(Doit Yourself)キットを提供しており、ユーザーが目的と用途に合わせてカスタムして活用することができる。