【コラム】「力」に心酔したトランプ、米国が80年間築いた世界秩序を捨てた(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.03.06 11:04
米国のトランプ政権2期目に入って驚天動地が続いている。トランプ大統領は2月28日、ウクライナのゼレンスキー大統領と会い、「あなたにはカードがない」という言葉を6回も繰り返しながら批判した。この言葉の中に彼の世界観が表れている。「カード」は軍事力・経済力に代弁される力を意味する。力が最強の米国はカードが多く、したがってすべての交渉で勝たなければいけない。それでも「弱くて愚かな」過去の大統領ために米国は同盟に利用されため、これからはその間に奪われたものを取り返そうとする。そして力が強い大国、米国・中国・ロシアが地域別に勢力圏を形成するのは当然と考えるようだ。
ところが世界史を振り返ってみると、西欧はそのような強大国の権力政治に酔って第1次世界大戦を経験し、2000万人が死亡した。これではいけないと考えてウッドロー・ウィルソン米大統領は力でなく規範を設けて守っていこうとし、国際連盟の創設を主導した。しかし上院が米国の国際連盟加盟を阻止し、国際連盟は力を得られなかった。結局、米国の孤立主義から生じた国際リーダーシップの空白が大恐慌と第2次世界大戦を招いた。