【コラム】己未独立宣言書の意味(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2025.03.01 10:24
ほかの面で西洋の近代は互いに異なるメッセージを伝達したのも事実だ。人間の主体性を基盤とする解放のメッセージとともに、絶対的な神に頼る救援の福音も伝えられた。韓国はおそらくアジアで唯一、互いに矛盾し得るキリスト教と近代性を共に受け入れて成功した国ではないかといえる。とにかく産業化の成功による物質的な豊かさが無制限の貪欲を生み、これが富国強兵や搾取、そして弱肉強食のような実際につながることも共に伝えられたのだ。
近代化の矛盾は人類歴史上前例のない殺傷と破壊が深刻な2度にわたる大戦につながり、日本の参加でアジアもこの惨禍に引き込まれた。己未独立宣言書は、人類が初めて経験した全世界にわたる無意味な惨禍が終わった時点に出てきた世界史的な文書だ。この文書は韓国の独立を主張しながら、これが韓国だけに限られた問題でなく世界史的な大転換の問題であることに照明している。西洋近代化に内在した矛盾を指摘し、新しい世界史的な展望がどのように韓国の独立で可能になるかを説明している。日本の指導層がこの運動の真の意味を正しく理解していれば、その後の世の中は、少なくともアジアは変わっていたかもしれない。結局、日本人自らもこの途方もない災難から自由でなかったし、他のどの国の国民にも劣らない苦難を経験した。