バンス米副大統領が１４日、「ウクライナとロシアの対立を交渉による解決に導く案を議論する」と明らかにした。ロイター通信などによると、この日ミュンヘン安全保障会議（ＭＳＣ）に参加したバンス副大統領は取材陣にこのように話した。ウクライナとロシアの交渉を率いる米国の意志を表明したものだ。

バンス副大統領はこの日、ウクライナのゼレンスキー大統領、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）のルッテ事務総長と会い、ウクライナ戦争終息案を話し合う見通しだ。バンス副大統領とルビオ国務長官、ウォルツ大統領補佐官（国家安全保障担当）ら米国代表団は１４～１６日に開かれるミュンヘン安全保障会議で終戦のビジョンを提示するものとみられる。

バンス副大統領はミュンヘン安全保障会議出席に先立ち、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューではロシアを圧迫する強力な発言もした。彼は「ロシアが平和交渉に同意しない場合、ウクライナに米軍を派遣する選択肢は依然として検討されている」と話した。また「米国はロシアのプーチン大統領を相手に使用できる経済的手段と軍事的手段がある」ともした。

バンス副大統領のこうした発言は、トランプ政権高官から出た最も強硬なウクライナ支持発言だとメディアは指摘した。終戦交渉がロシアに有利に進められる可能性に対する懸念が欧州から出る中で、経済制裁と軍事オプション議論でこうした懸念を払拭させ、ロシアの誠意ある交渉参加を圧迫したと分析される。

バンス副大統領の今回のインタビューはトランプ大統領がウクライナ戦争終息に向けプーチン大統領と交渉を始めると明らかにしてから数時間後に行われた。これと関連し、バンス副大統領は「今回の交渉で多くの人が驚くほどの合意があるだろう。トランプ大統領は『全てをテーブルに上げて取引をしよう』と話すだろう」とした。

前日にヘグセス米国防長官は「米国がウクライナに派兵することはないだろう。ウクライナ領土を２０１４年のロシアのクリミア半島強制併合以前に戻すこともやはり非現実的な目標」と話し欧州の懸念を拡大させている。