【コラム】尹錫悦大統領弾劾以後が尋常でない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.02.10 16:02
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は自らを「反国家勢力」共に民主党が主導した内乱操作の被害者に変身させた。「実際に何も起きなかったが、月の影のようものを追いかける感じ」と語った。戒厳解除を防ぐために武装軍人を国会に投入し、報道機関の停電・断水措置を指示した事実をなかったことにしようということか。ソウル拘置所の独房に収監された尹大統領は民主党をナチスに例えながら議会独裁を批判した。
ヒトラーも1923年、ワイマール共和国体制を転覆しようとしたミュンヘン暴動の失敗後、刑務所の独房に監禁された。妄想の中で世界征服と人種清掃を構想した自叙伝『わが闘争』を口述した。狂気の極右指導者は1925年に出版されたこの本で「獲得すべき大衆の数が多いほど(宣伝の)知的水準をより一層低めなければいけない」と書いた。常識がある国民の判断を軽視する尹大統領の獄中メッセージは極めて危険な禁書の宣伝術と通じる。裁判所乱入では足りず憲法裁暴動を扇動する狂信徒の叫びに鼓舞され、100年前のナチスの教祖のように華麗な再起を夢見ているのだろうか。