【中央時評】言いたいことばかり言っては民主主義は難しい=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.02.04 14:26
今年は光復(クァンボク、独立)80年になる喜ばしい年だ。韓国は光復後、産業化と民主化を成し遂げた数少ない国として自負してきた。経済的に世界10位圏の大国になり、政治的には大統領直選制を施行して久しい。しかし、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の非常戒厳と弾劾事態を見て、80年という歳月がこの地に民主主義が定着するのに十分な時間ではなかったことが分かった。直接選挙制で国民が主人になる民主主義の姿は取ったものの、内戦に匹敵する昨今の陣営争いは、民主主義に至る道が決して順調ではないことを示している。
省察が必要な部分の一つが表現の自由だ。民主主義を創案したアテネの人々は、表現の自由を民主主義の核心価値だと考えた。彼らは表現の自由にパレーシア(parrhesia)とイセゴリア(isegoria)の二つの原理が含まれると見た。パレーシアは好きなように恐れることなく話す自由がある。真実だと思うことを率直に表現する自由だ。真だと信じるなら、勇気をもって批判する権利だ。これに対し、イセゴリアは市民の誰もが平等に話す権利を持つという意味だ。自分と考えが違えば討論した。政策を決める民会ではみんなに発言の機会が与えられた。民会は明け方から夜まで続いた。アテネの共同体は公論化に努めた。