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【ミリタリーブリーフィング】トランプ氏の関税爆弾、トランプ氏が標的に…「低迷の米造船業、さらに悪化」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.02.03 14:51
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米国がアイアンドーム(Iron Dome)計画を発表した。イスラエルのアイアンドームを輸入するのではなく、独自の防空システムを開発するということだ。冷戦末期の「スターウォーズ計画」と呼ばれた戦略防衛構想(SDI)を想起させる。

<1>トランプ大統領、包括的な本土防衛のための新しいミサイル防衛システムの開発を指示

 
1月28日(以下、現地時間)、トランプ米大統領が軍に数千発のロケットを迎撃したイスラエルのアイアンドームのような防空システムを開発することを指示する行政命令に署名した。この行政命令は野心に満ちたプロジェクトの技術・配備戦略・予算を説明する具体的な計画を60日以内に提出することを国防長官に指示した。トランプ大統領は2024年の選挙運動期間、米国のためのアイアンドームの米国版を構築すると何度も強調した。

しかし、今回言及されたアイアンドームは、米国の最大の脅威の大陸間弾道ミサイル(ICBM)迎撃には適していないため、形式的な意味を持つだけだ。実際、「米国のためのアイアンドーム」というタイトルの行政命令は「弾道・極超音速・先端巡航ミサイル、そして対等またはほぼ対等か劣る敵の次世代空中攻撃などの長距離脅威から米国人を保護するための防空システム開発」を要求した。また、ミサイル防衛技術の開発・力量・運営に関する二国間および多国間協力を強化し、同盟国とパートナー国に対する米国のミサイル防衛力量の提供を拡大し加速することも要求した。

トランプ大統領が要求した新しい防御システムは、現在運用している空軍の地上基盤中間迎撃(GMD)、海軍イージス駆逐艦のSM-3とSM-6を利用した海上防御、陸軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)とPAC-3を使用した終末防御など、既存の地域および戦略的防御を越えるより包括的な防御システムを作ることを目標にしている。

しかし、一部の専門家は、コストと技術的妥当性について懸念している。GMDの場合670億ドル以上、THAADとイージスプログラムも数十億ドルのメンテナンスおよびアップグレードが必要なため、新しい防御網には数千億ドルの費用がかかる。これを受け、経済の問題が浮き彫りになりかねない。技術的にもロシアと中国の極超音速滑空体の脅威が高まっているが、現在米国の防御システムはこれを追跡し迎撃するのに困難をきたしている。

こうした懸念にもかかわらず、トランプ大統領の新たなミサイル防衛の構成は現在の地域防衛を越え、包括的な国土保護を目指す米国の国家安保戦略の大きな変化を意味する。

<2>「米空軍の操縦士不足が深刻な水準」

米国の航空宇宙シンクタンク・ミッチェル航空宇宙研究所の新しい報告書によると、米空軍の操縦士不足が深刻な状況だ。報告書は、これを解決するためには、より多くの飛行機を購入し、予備軍により多くのパイロットを配置しなければならないと主張した。報告書によると、米空軍の操縦士が大勢転役し、2024年に1150件の空席ができ、このため戦闘機操縦士不足で問題に直面しているという。

米空軍の操縦士不足は採用問題、長い訓練過程、高い転役率、訓練用機体の準備不足など多様な理由で発生している。ミッチェル航空宇宙研究所の先任常駐研究員で、報告書の作成者であるヘザー・ペニー氏は「空軍が平時操縦士養成と退役格差を縮めることができなければ、大きな衝突で困難に直面するだろう」と警告した。

報告書で提示した操縦士不足問題を解決するための主要勧告事項のうち、航空機の数が減り、機体の老朽化で操縦士が訓練できる時間が制限されるため、より多くの航空機を購入し、航空機を現代化することだ。ミッチェル研究所の研究によると、2024年の訓練やテスト航空機を除いた任務用に分類された1206台の戦闘機のうち、任務遂行が可能な戦闘機は724台に過ぎなかった。

数年間、空軍は戦闘機在庫減少を反転するためには年間72機の戦闘機を購入しなければならないと言ってきたが、議員やミッチェル研究所のような他の空軍支持者たちから旧型航空機を1対1の割合で新しい航空機に交替せずに廃棄したと批判された。ヘグセス国防長官は人事聴聞会で戦闘機の戦力規模を増やすという信号を送ったが、資金をどのように調達するかは具体的に明らかにしなかった。

ミッチェル研究所の報告書は、戦闘機の在庫を大幅に増やすこと以外にも、予備軍が遂行する重要な役割を強調した。空軍の予備軍構成要素は、州防衛空軍と予備軍で構成される。歴史的に州防衛空軍と予備軍は予備軍としてのみ使われたが、現在は現役部隊が予備軍に依存して現役編隊と共に配備されている。ペニー研究員は、「空軍のすぐに戦える兵力の大半が予備軍から出るため、現役と予備軍の構成要素をすべて現代化しなければならない」と述べた。最近、米空軍全体の操縦士のうち、現役の割合は45%に留まっている。

<3>トランプの関税政策が軍に逆効果をもたらしかねないという警告が出た

1月6日、ワシントンポストはトランプ大統領の補佐官らが国家安保とその他の主要部門に必須な輸入品に対する広範囲な関税計画を考慮していると報じた。ワシントンポストはこの問題に詳しい3人を引用して鉄鋼・鉄・アルミニウム・銅に対する関税賦課と共に防衛産業サプライチェーンの核心要素を米国に再び持ってくる戦略の一つとして希土類およびバッテリーのようなエネルギー関連材料に対する関税賦課が含まれていると伝えた。

しかし、専門家らは、一部の軍事プログラムのコストが上昇し、遅延が発生する可能性があると警告した。ハドソン研究所の先任研究員で、国防概念および技術センター所長のブライアン・クラーク氏は、関税のために物価が上昇すると主張した。クラーク所長は関税引き上げが新型コロナウイルス感染症時代のサプライチェーン崩壊のような潜在的混乱を引き起こしかねないと述べた。

海軍の航空母艦と他の船舶を建造するのに莫大な量の鋼鉄が必要な造船業も関税によって最も大きな影響を受ける可能性があるとの見方が出た。米国企業研究所のトッド・ハリソン先任研究員は「造船業の費用はさらに高くなり、遅延はさらに長くなるだろう。造船業に良いものは何もないだろう。悪い状況をさらに悪化させるだけだ」と述べた。

ハリソン先任研究員は、すでに米国基盤の出処から部品と材料を確保した国防プログラムさえも、独自費用が上昇する可能性があると述べた。関税によって国内生産材料に対する需要が増加すれば、供給が減り、すべての顧客が支払う価格も同様に上昇するだろう」と述べた。

ハリソン先任研究員は「防衛産業ではすでに様々な状況で米国製資材を使わなければならないが、今後は米国製の資材に対する競争を繰り広げる他の民間企業も登場するだろう。したがって、供給と需要の不一致、一時的な不足現象が発生する可能性があり、米国製資材の価格が上昇するだろう。関税が米国に適用されなくても、結局米国の価格を上昇させる結果を生む」と述べ、結局国防総省が主要資材に対する関税によって発生した追加費用の一部を負担することになるとした。

チェ・ヒョンホ/ミリドーム代表、軍事コラムニスト

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