【コラム】トランプの罠、金正恩のジレンマ(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.01.31 14:32
◆交渉の「ハードル」高めた北朝鮮
トランプ政権が北朝鮮の核プログラム凍結と対北朝鮮制裁の一部緩和を交換をするなどの「スモールディール」を懸念する声もある。北朝鮮の非核化を追求する我々の立場では決して望ましい状況ではない。ここでトランプの対外政策が実質的な「勝利」を追求するという点に注目する必要がある。不動産業出身のトランプは過程よりも最後に最大限の利益を残すことに集中する可能性が高い。ビッグディールであれスモールディールであれ、取引費用を考えるとトランプが北朝鮮と合意を導出できる最小条件は北朝鮮の米本土打撃能力を確実に制限することだ。米国は核を運搬する手段と北朝鮮が主張する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発の経路を含めて検証可能な廃棄を望むだろう。しかし北朝鮮がこれを受け入れるかが疑問だ。米国を相手にした確証報復能力の開発を放棄すれば北朝鮮は米国の大規模報復に露出し、北朝鮮核の効用性は事実上消滅する。北朝鮮が米国を攻撃できる手足を縛られた状態で韓半島で核戦争を始めるのは自殺行為だ。互いに信頼が不足する朝米が対話を再開しても接点を見いだすのは容易でないということだ。