【社説】惨憺たる現職大統領の逮捕…与野党、もう政治回復に向かうべき
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.01.16 16:12
12・3非常戒厳事態が発生してから43日目の昨日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に逮捕される場面は痛ましかった。幸い、令状執行過程で大きな衝突は避けたが、憲政史上初めて現職大統領が逮捕された事実だけでも国家の品位は落ちるしかなかった。尹大統領は違憲・違法な非常戒厳を宣言し、軍と警察を動員して暴動を起こしたという内乱首魁容疑を受けているが、その裏には交渉と妥協が消えた政治不在と極端な陣営化がある。
尹大統領が就任2年8カ月で現職大統領の身分で逮捕されたのは本人自ら招いた側面が大きい。尹大統領は国会と選挙管理委員会などに軍と警察を投入しながらも「2時間の内乱というものがあるのか。秩序維持のために少数の兵力を数時間投入したのが暴動なのか」という反応を見せた。しかし軍・警察の主要被疑者の起訴状には、尹大統領が「扉を斧で壊しても引っ張り出せ」「銃を撃ってでも扉を壊して引っ張り出せ」と命令したという証言が多数含まれている。本当に堂々としているのなら調査を受ければよいことだが、公捜処の調査や西部地裁の逮捕状発付が違法という主張ばかりを繰り返しながら対抗する姿で一貫した。過去に弾劾訴追された大統領が検察の調査などに応じたのとは異なるため、警護処の職員らさえも2回目の令状執行は積極的に阻止しなかった。