【中央時評】保守をどこまで辱めるのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.01.09 14:06
『象のことを考えるな』という本でよく知られる言語学者ジョージ・レイコフ氏は、米国の保守-進歩の価値観の底辺には「国家=家庭」という隠喩が作動するとみている。保守主義の世界観の下には「厳格な父」像があり、進歩主義の世界観の下には「優しい父母」像があるということだ。厳格な父は険しくて厳しい世の中で家族を保護・扶養し、子どもにモラルを教える。優しい父母は子どもと感情を分かち合い、他人・地域・国家・世界のための献身も強調する。
米国でも韓国でも保守-進歩対決が激化し、こうした対比がロマンチックに感じられたりもする。しかしまともな保守ならいくら強調しても過言でない価値が責任感という指摘には特に異見がないようだ。繰り返し法治、規範、秩序を強調してきた尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の意識の底にも「保守=責任感ある家長」というイメージが普段からあるはずだ。しかし非常戒厳を宣言した瞬間、彼は暴力家長に変わり、その後、法的責任を避け、あらゆる庸劣な方法を動員しながら卑怯な家長に転落した。