【コラム】通貨危機を呼ぶ葛藤の政治=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.01.06 16:03
大韓民国の国民が共有する不安な記憶がある。「通貨危機トラウマ」だ。外貨準備高が39億ドルまで減少したため国際通貨基金(IMF)の救済金融を受けなければならなかった1997年のアジア通貨危機とは違い、資金の流出に苦しんで韓米通貨スワップで危機を阻止した2008年のグローバル金融危機の記憶は国民にトラウマとして残った。急激なウォン安ドル高は危機の信号であり、外貨の流出は経済と金融市場を揺るがした。その間「為替防波堤」である外貨準備高を増やすのにまい進した理由だ。
不安を動力にして増やした韓国の外貨準備高は相当な水準にある。ピークだった2021年10月(4692億1000万ドル)以降はやや減少したが、昨年11月の外貨準備高は4153億9000万ドルだ。世界で9番目に多い。にもかかわらずまたも通貨危機の懸念が強まっている。非常戒厳以降、大統領と大統領代行に対する弾劾訴追など政局の混乱が続き、ウォン安ドル高が進んだ。政府と当局がウォン安阻止のために市場介入をしたとみられる中、外貨準備高が急激に減少したという見方が不安を深めている。心理的マジノ線と見なされる外貨準備高4000億ドルを割り込まないか警戒モードだ。