チェジュ航空事故発生から５日ぶりの２日午前、１７９人の犠牲者のうち初めての出棺があった。この日葬儀を終えた犠牲者は４人だ。

この日午前６時３０分、光州（クァンジュ）市内の葬儀場でＡさん（６７）の出棺式が行われた。犠牲者のうち比較的完全な状態で収拾されたＡさんは先月３０日から葬儀を行った。出棺式にはＡさんの家族と知人３０人ほどが集まり物静かな雰囲気で進められた。Ａさんの親族が遺影を持って歩き出すと一部は静まり涙を流した。

ある男性は泣き出しそうな表情でＡさんに向け手を振って見せたりもした。この男性は「Ａさんとこれ以上この世で会うことはできないが、遠からず天国でまた会えるよう願って祈祷する」と話した。

Ａさんと高校の同窓生というコンさんは友人を見送るため３２０キロメートル離れた京畿道城南市（キョンギド・ソンナムシ）から来た。コンさんは「わずか数日前に２人目の孫が生まれる慶事があったのに、このように世を去るとは思わなかった。光州で旅行会社を運営する友人とコロナ禍が終わり仕事がうまくいっていた最中にこうしたことが起こって残念だ。新年には同窓生同士で会おうと約束していのに…」として言葉を詰まらせた。Ａさんは今回の旅行で顧客３～４チームを引率した後、光州に戻るところだったという。

タイ出身で結婚して移住した女性のＢさん（４５）の棺は午後１時４０分に光州市内の葬儀場を出発した。出棺式に参加したタニー・サングラット駐韓タイ大使は、「火葬した灰は半分は韓国に、半分はタイに葬る予定」と話した。

光州市内火葬場で火葬している間、夫と親族、遺族支援担当公務員らは静まったまま火葬手続きを待った。チェジュ航空の従業員がタイにいるＢさんの家族とビデオ通話でつないで進行状況を説明したりもした。

この日ＡさんとＢさんを含め犠牲者４人の出棺が行された。乗務員Ｃさんと遺体を安置せず葬儀を行い前日午後遅くに引き渡されたＤさんもこの日光州市内の葬儀場で出棺を進めた。

韓国国土交通部によると、この日午前基準で２４人の犠牲者の遺体が遺族に引き渡された。国土交通部の朴庠禹（パク・サンウ）長官はこの日午前の遺族向けブリーフィングで、「昨夜遅く国立科学捜査研究院から追加で６５人のＤＮＡ鑑定結果が通知された。順次遺族の意思を確認して引き渡す」と明らかにした。