【時視各角】尹大統領はなぜまだその席にいるのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.12.12 13:44
9月に「戒厳怪談と国民冒とく」というコラムを書いた。野党が戒厳令準備疑惑を提起した時だ。2024年の大韓民国で戒厳が可能だと考えているのなら国民に対する冒とくだという内容だった。コラムは戒厳が不可能な理由として、まず憲法77条5項に基づき最大野党・共に民主党(170議席)だけでも戒厳解除議決(国会在籍議員の過半数賛成)が可能だという点を挙げた。そしてさらに重要な3つの理由があると伝えた。1つ目は軍が従わないはずだという点、2つ目は国民が容認しないという点、3つ目は国際社会が傍観しないという点だった。
ところが3日夜10時23分、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が非常戒厳を宣言した。それ以降のことはみんなが知っている通りだ。野党国会議員と一部の与党議員は柵を越えて必死に国会に集まった。4日午前1時、国会は出席議員190人全会一致で非常戒厳解除要求案を議決した。これで尹大統領が宣言した戒厳は無効になった。この過程で国会に投入されたMZ世代の軍人は軍指揮部の不法指示に従わなかった。彼らは市民に銃口を向けなかった。国民も容認しなかった。多くの市民が国会に駆けつけた。そして軍隊・警察と対峙して守った。市民は軍のバスの前で横になり、装甲車を阻止した。携帯電話で現場を生中継した。国際社会も黙っていなかった。世界各国のメディアが速報した。米国務省は直ちに「強い懸念を抱いて韓国の状況の展開を注視している」(キャンベル副長官)と明らかにした。夜が明けると尹錫悦政権は国際社会から孤立した。