尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領の「１２・３非常戒厳事態」で弾劾政局が続く中、慶尚南道宣寧郡（ウィリョングン）議会が最近、日本出張に行った。名所観光が日程に含まれた外遊性出張という主張があり、郡議会が批判を受けている。

宣寧郡議会によると、キム・ギュチャン議長を含む郡議員１０人全員と議会事務局職員６人の計１６人は金海（キムヘ）国際空港から９日に出国した。

１３日に帰国する４泊５日の今回の出張には、成田空港、横浜、銀座、大阪、関西空港などを訪れる日程が含まれた。出張経費は議員１人あたり２８０万ウォン（約３０万円）で計２８００万ウォンだ。うち２３２６万ウォンは郡議会予算で、残りの４７６万ウォンは議員１０人が１人あたり約４７万ウォンずつ負担する。

今回の出張は日本各地域の都市再生と再開発で造成された観光地を見回る日程であり、大阪城など日本の主な名所の観光も計画された。宣寧郡議会は郡に参考となる日本の都市再生と文化観光、医療福祉などを視察する計画だ。出張の名分が多角的な政策提案用という説明だ。

しかし非常戒厳の影響で政府・国会はもちろん地方政府・地方議会が非常体制を稼働する状況で、郡議会の国外出張には冷ややかな視線が向けられている。地域メディアは「外遊性出張」と批判している。宣寧郡議会とは対照的に慶尚南道（キョンサンナムド）議会はオーストラリア・シンガポールなど海外出張をすべてキャンセルし、全羅南道（チョンラナムド）議会・光州市（クァンジュシ）議会も今月予定されていた国外出張をすべて取り消した。

宣寧郡のホームページには９日、ある住民が「この時局に国民は約束もキャンセルして国を心配しているが、この人たちは資格がない。郡議員のパスポート抹消を請願する」と書き込んだ。

宣寧郡議会の関係者は「今回の出張が地域特性化事業と文化政策開発など地域の発展に役立つことを期待する」と述べた。