尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領の戒厳令宣言で韓国の外交力量が弱まるという懸念が米国のシンクタンクから出ている。

カーネギー国際平和財団のイ・ジョンミン研究員は５日（現地時間）、財団ホームページに載せた文で、来年１月のトランプ米次期大統領の就任、北朝鮮軍のウクライナ戦争参戦拡大、米中貿易戦争悪化の可能性に言及しながら、戒厳令事態が最悪の時期に発生したと診断した。

イ氏は「今の政治危機は、弾力的な外交政策を樹立して国家安全保障の脅威を緩和できる韓国の能力を弱めるだけだ」と強調した。

戒厳令宣言が韓国の民主主義に打撃を与えたという批判もあった。ウィルソンセンターのトロイ・ステンガロン韓国センター局長は６日、グローバルニュースのインタビューで韓国は１９８０年代以降に戒厳令を宣言したことはないとし、「今回の戒厳は韓国の民主主義の前例を破ったという点で重大であり、権威主義時代に一歩後退するようだ」と述べた。

ブルッキングス研究所のアンドリュー・ヨ韓国部長もＸ（旧ツイッター）で「戒厳令宣言の決定にぞっとした。尹大統領が危機を触発し、自ら政治的な墓穴を掘った」とコメントした。スティムソンセンターのジェニー・タウン研究員はＸで、尹大統領が野党に対する警告性レベルで戒厳を宣言したという報道に「深刻な権力乱用」と指摘した。

ヘリテージ財団のブルース・クリンガー研究員は最近、チャンネルニュースアジア（ＣＮＡ）のインタビューで戒厳は韓国人に過去の権威主義時代の苦痛を思い出させるとし、「これはすべての韓国人に対する侮辱であり、韓国の歴史の暗い足跡になるだろう」と話した。