【コラム】「人に忠誠を尽くさない」という尹錫悦はどこへ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.12.06 15:27
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は独特の存在だ。かつて韓国の保守・進歩勢力の双方から愛され、憎まれる対象だったからだ。尹大統領は検事だった2013年、国家情報院世論操作捜査チーム長を引き受け、政権を気にせず捜査を行った。同年10月、ソウル高検を対象にした国会法制司法委員会の国政監査に出て「捜査の過程で外圧があった」と爆弾発言をした。当時「人に忠誠を尽くすのではないか」という鄭甲潤(チョン・ガプユン)セヌリ党議員の質問に対し、尹錫悦検事は「人に忠誠を尽くさないのでこの言葉を申し上げる」と答えた。大統領・尹錫悦を作った叙事の始まりだ。
上の質問の「人」とは、尹大統領と近しく国家情報院の捜査を進める過程で隠し子疑惑が浮上して辞任した蔡東旭(チェ・ドンウク)元検察総長のことと知られている。しかし答弁を広く解釈すれば、個人的な縁を離れて権力者に忠誠を尽くさず法治主義を守るという意味にもなる。