ドナルド・トランプ米大統領当選者が来年１月の就任直後、政敵に報復を予告した状況で、バイデン・ホワイトハウスが「先制的赦免」を協議中だという外信の報道が出た。米大統領は、特定人が起訴される前でも、予防のために事前に赦免できる権限を持っている。

政治専門誌ポリティコは５日（現地時間）、トランプ氏が捜査を準備している主要人物を対象に、先に赦免するかどうかを協議していると報じた。この競技には、ホワイトハウスのエド・シスケル法律顧問が主導し、ジェフ・ジャイアンツ秘書室長なども参加したという。ただ、バイデン大統領まで含めた本格的な協議はしていない。

トランプ氏の就任を控えた民主党は報復に対する懸念が相当で、赦免をめぐる議論もこのような不安を反映しているとポリティコは分析した。米国現地では共和党内のトランプ氏の反対勢力であり、ハリス副大統領の選挙を支援したリズ・チェイニー元下院議員、新型コロナウイルス感染症関連措置で共和党の批判を浴びてい米国立アレルギー感染症研究所（ＮＩＡＩＤ）のアンソニー・ファウチ所長などが赦免候補群として取り上げられている。

すでに公開的な動きも出ている。バイデン大統領に近いブランドン・ボイル民主党下院議員は４日、バイデン大統領に包括的赦免を促す声明を発表した。またトランプ氏の報復予告に対して「これは仮想的な脅威ではない」とし「我々はトランプ氏の権力乱用を防ぐために至急行動しなければならない」と明らかにした。

トランプ氏は選挙運動期間中、政治的報復の可能性に言及してきた。トランプ氏は「時には復讐が正当化されることもある」「監獄に行かなければならない」など、強硬な発言を吐き出した。だが、犯罪疑惑が明白になっていない状況で先制赦免をする場合、むしろトランプ氏に逆攻勢の口実を与えかねないという慎重論も民主党内部で提起されている。

米大統領の「先制的（ｐｒｅ－ｅｍｐｔｉｖｅ）赦免権」は、１８６６年の最高裁判所の判例で有効性が固まった。当時、最高裁は「法的手続きを踏む前や保留中、そして判決が下された後にも赦免が執行される可能性がある」と明らかにした。かつてフォード大統領はウォーターゲート事件で退いた前任者リチャード・ニクソン氏を先制赦免した。その後、フォード元大統領は、米国が傷を癒し、前に進むためにそのような決定を下したと明らかにした。