【コラム】尹大統領「私を信じるでしょう? 逆らえば処断します」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.12.05 15:18
朝になってSNSを見ると、みんなはただ「情けなく、あきれた」とコメントしているが、私は昨夜、無防備状態で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の戒厳宣言場面をライブで見て心臓が止まりそうだった。百歩譲って「民主党が判事を脅し、長官弾劾を進めて行政府をまひさせ、予算暴挙で国家の本質機能を毀損する」という尹大統領の戒厳趣旨に同意するとしよう。それでも世界10大経済強国の先進国になった21世紀の自由民主主義大韓民国で野党の「立法独裁」を親衛クーデターによる「戒厳独裁」で防ぐという大統領の暴走が夢想に終わらず、短い時間ではあったが堂々と実行されたのが恐ろしかった。市場通りの放送ブースに座って庶民に向け「熱心にやります、皆さん、信じてくれるでしょう?」とマイクを握った翌日、堂々と国家の威信を落として国民の基本権を踏みにじるというあきれるようなことをする大統領とは。このような不安定な人物なら、他の非常識なこともいくらでもしでかすように見えた。
さらに「血を吐く心情」とか「犯罪者集団の巣窟」「悪行を繰り返す亡国の元凶」などの表現は意図的に葛藤を助長する過激な言葉であり、照会数で稼ぐ極端なユーチューバーならまだしも、一国の大統領が国民を相手に使うべき精製された発言というにはあまりにも荒くて感情的だった。そのためか理性的な判断が欠如したまま極度の興奮状態で即興的に戒厳決定をしたのではと疑ったりもした。戒厳司令部の第1号布告令を見ると、決して誇張や飛躍でない。国会の戒厳解除議決で状況が終了した今はあきれる150分の事態を嘲弄するが、国会の出入り口が封鎖された状況で3日夜11時付で発令された朴安洙(パク・アンス)戒厳司令官名義の6項目の布告令が公布された時、この国は本当にどこに向かうのか予測しがたかった。「国会など一切の政治活動を禁じる」という違憲的な第1項もそうだが、2月の大統領の一方的な医療壟断に反発して病院を離れた専攻医に言及した第5項は驚きそのものだった。