【コラム】国民に代わって問う記者=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2024.12.01 13:26
最初は聞き間違いだと思った。大統領記者会見中に出てきた質問をめぐり「大統領に対する無礼」と評価したというからだ。さらには記者の質問態度を正すべきだとは。2024年の韓国を1924年の日帝強占期または、1824年の朝鮮時代とでも錯覚したのでなければ出てくることのない言葉だった。記者を大統領の部下程度に扱う発言に大多数のメディアが声をそろえて批判を浴びせたのは当然のことだった。「大統領を王として仕えろという話か」「王朝時代に生きているようだ」「軍事政権時代なのか混乱する」という表現で洪哲鎬(ホン・チョルホ)政務首席秘書官の封建的で権威主義的な認識を指摘した。黄相武(ファン・サンム)前市民社会首席秘書官の不適切発言の学習効果のためかあわてて陳謝したが「記者無礼」発言の波紋は簡単に鎮まらずにいる。
こうした発言が出てきた背景が何かを理解するためにその過程をもう少し詳しく見てみた。先月7日に開かれた記者会見で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が何を謝罪するのかに対する質問は事実何回も登場した。最初の質問機会を得た記者は「頭を下げて謝ったが謝罪を決めた背景と理由は何か」と尋ねた。「記者会見に先立ち国民に感謝と尊敬の立場を見せるのが正しいと考えた」というはっきりしない答弁が出てきた。追加質問が続かず残念な状況でその「直球」の質問が出て、続けてマイクをつかんだ記者もやはり「すべて説明しにくいならば認められる部分、正確に謝罪ができると考える部分はどういうものか」と再び尋ねた。大統領は依然として具体的な言及をせず「どうであれ謝罪」するという言葉で記者会見を終わらせた。