李在明（イ・ジェミョン）共に民主党代表の偽証教唆疑惑に対する無罪宣告の翌日、政局地形が動き出した。選挙法１審懲役刑の有罪で動揺していた民主党は直ちに特別検察官・弾劾・国政調査を全方向から強行しようと攻勢に出た一方、国民の力はいわゆる「党員掲示板」論争などで内輪もめの状況だ。



民主党は２６日、金建希（キム・ゴンヒ）大統領夫人特検法再議決に集中した。尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領はこの日、金建希氏のドイツモータース株価操作介入疑惑、ミョン・テギュン氏関連疑惑などを捜査対象とする特検法に再議要求権（拒否権）を行使した。就任後、民主党が単独通過させた法案に対する２５回目の拒否権であり、金建希特検法に対する３回目の拒否権行使だ。

民主党指導部はこの日、竜山（ヨンサン）大統領室の前で糾弾デモを行った。朴賛大（パク・チャンデ）院内代表は「厚かましくて卑劣だ。歴代大統領の中で本人と家族を対象にした特検や検察捜査を拒否したのは尹錫悦大統領が唯一」とし「李承晩（イ・スンマン）をあれほど称賛していたが、結局、李承晩の悲惨な前轍を踏むつもりなのか」と声を高めた。

民主党は当初２８日に予定していた特検法再表決を来月１０日に先送りした。李代表の司法リスクが一時的な解消局面に入り、親尹派－親韓（韓東勲）派の葛藤が増幅している与党を攻略し、与党離脱票を集めるという戦略だ。民主党の姜由楨（カン・ユジョン）院内報道官は記者らに対し「党員掲示板問題で与党の分裂が可視化する状況で、組織的離脱票を期待できるという意見もある」と話した。

この日、民主党からは「韓東勲（ハン・ドンフン）代表関連の党員掲示板の論争に世論操作疑惑真相究明特検をしよう」（梁文錫議員）は主張も出てきた。

民主党は特検法に加え、年末の国会本会議で常設特検規則改定（１１月２８日）、検事弾劾（１２月２日と４日）、殉職海兵国政調査（１２月４日）などを相次いで推進する方針だ。このうち検事弾劾に関連し、金建希氏のドイツモータース株価操作疑惑事件を嫌疑なしとしたソウル中央地検の李昌洙（イ・チャンス）検事長、趙相元（チョ・サンウォン）第４次長、崔宰勲（チェ・ジェフン）反腐敗部長に対する弾劾訴追案を来月２日に本会議に報告し、４日に表決することにした。野党が圧倒的過半を占めるため本会議の議決は確実視される。検事３人に対する職務はその後、憲法裁の結論が出るまで停止する。国会法制司法委員会はこれとは別に姜白信（カン・ベクシン）、厳熙竣（オム・ヒジュン）検事に対する弾劾訴追事件調査聴聞会も来月１１日に開催することを決めた。両検事は李代表が関与した大庄洞（デジャンドン）開発不正事件を捜査した。

殉職海兵国政調査の場合、民主党が禹元植（ウ・ウォンシク）国会議長の要請を受けて２７日まで国政調査特別委員会委員を選任するとし、与党に圧力を加えている。

２８日の本会議では民主党が単独で常設特検候補を推薦する際、与党を排除する常設特検規則改定案を処理する計画だ。常設特検は大統領が拒否権を行使できず即時稼働が原則だ。

こうした野党の波状攻勢に国民の力は対応策を出せずにいる。党指導部は「金建希特検法の再表決で離脱票の規模は減るはず」という言葉を繰り返しただけで▼検事弾劾▼常設特検規則改定▼殉職海兵国政調査－－など、具体的事案に対する解決策を出せなかった。ある重鎮議員は「李在明代表の２連続有罪で戦況を逆転させて予算・税制を終えるという計画自体が崩れたが、内部葛藤で『プランＢ』も立てられない状況」と話した。党の院内指導部は特検法再表決時に全員が投票所に入らない案も検討している。

この渦中にも党員掲示板の論争は続いている。韓東勲代表はこの日、記者らに対し「ない混乱を不必要に作り出す人が問題」と話した。親韓派の張東赫（チャン・ドンヒョク）最高委員もラジオ番組で「（党員掲示板問題で）攻撃を続けるのは韓代表のリーダーシップを落とそうという目的」と主張した。尹相炫（ユン・サンヒョン）議員は「党員の目は家族かそうでないかを知りたがる。家族なら謝って速やかに次の段階に進まなければいけない」と反論し、派閥色が薄い金容兌（キム・ヨンテ）議員も「韓代表らしく立場を明らかにして済ませればよかったことだが、家族がしたかどうかに対する立場がないため危機を招いた」と指摘した。

秋慶鎬（チュ・ギョンホ）院内代表は今後の最高位会議で最高位構成員９人（党代表、院内代表、政策委議長、最高委員６人）を除いた党役員の出席を制限する案を韓代表に建議する計画だ。２５日の最高位非公開会議で金玟甸（キム・ミンジョン）最高委員と衝突した親韓派の党役員を狙った措置だ。

国民の力の関係者は「特検法再表決票を管理する以外に戦略がないというのが現在の与党の現状」と指摘した。