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【社説】「弱肉強食のジャングル」露骨化するトランプ2期の国際秩序

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2024.11.10 09:54
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2016年に米国を席巻した「トランプ現象」は単発の性質ではなかった。4年を飛び超えてトランプ氏が帰ってきた。彼が提起した「米国優先主義(アメリカ・ファースト)」と「米国を再び偉大に(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン)」というスローガンは今回の大統領選挙でさらに広く深く受け入れられた。

トランプ現象は米国内の影響だけにとどまらず、全世界を強打する超大型グローバル台風だ。前政権が納税者のお金を世界平和と秩序を守るのに湯水のごとく使ってきたと批判するトランプ氏を米国国民の多数が共感・支持するという事実が今回の選挙で明らかになった。第2次トランプ政権には米国が「世界の警察」の役割をはじめする既存の国際秩序の柱である安全保障と自由貿易という公共財を大幅縮小する方向に進む懸念が大きくなった。

 
ブルッキングス研究所選任研究委員のロバート・ケーガン博士が『ジャングルの再生』で比喩的に描写した通り、第2次世界大戦後の70年以上、米国主導の自由主義世界秩序はしっかりと手入れした庭園のようだった。だが「トランプ主義」により米国が離れようとし、庭園はつると雑草で覆われる危険に直面した。世界で進行中の戦争と強力な保護貿易の流れで見るように、国際社会は適者生存と各自図生が幅をきかすジャングルに変わっている。ハリス氏を支持してきた米ニューヨーク・タイムズは第2次トランプ政権の対外政策を予想しながら「トランプ氏の勝利で第2次世界大戦後の『米国リーダーシップ時代』が終焉を告げた」と診断した。

終戦圧力に直面したウクライナが第2次トランプ政権の最初の試験台に上がる状況だ。第2次トランプ政権発足を控え尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権がウクライナ支援カードを慎重に扱わなければならない理由だ。トランプ氏の新孤立主義路線により北大西洋条約機構(NATO)に対する米国の安全保障公約が弱まり、NATO加盟国の防衛費負担が大きくなる恐れがある。同盟を軽視してお金で天秤にかけるトランプ氏の態度のため韓米同盟にも少なくない波風が懸念される。核で武装した北朝鮮と米国の核軍縮直取引は韓国には悪夢になりかねない。

自由貿易協定(FTA)と世界貿易機関(WTO)は1980年代から始まった新自由主義の流れの中で世界通商秩序を支えてきた2本の柱だ。だが米中覇権競争が激しくなり供給網再編が進められる渦中に自由貿易は退潮し保護貿易の流れが勢力を伸ばしている。トランプ氏の帰還は米国の利益中心の通商・産業政策の流れを加速・追求するだろう。その上人類が直面した気候危機対応と人権促進努力が米国政府の政策優先順位で引き下げられる可能性が大きい。

米デューク大学政治学科のピーター・フィーバー教授の診断のように、第2次トランプ政権は第1次政権の時よりさらに危険な世界だ。しかし米国の利益を前面に出した新孤立主義と保護貿易基調を当分避けられないならば、最大限活用する側に発想の転換が必要だ。取引を重視するトランプ氏の特性を考慮するならば、温情を求める泣訴作戦は下策だ。米国にどんな利益を与えてどんな肯定的役割をできるのか具体的で明確なカードを提示して説得する姿勢がより役立つだろう。

例えばトランプ氏は大統領選挙勝利の翌日に尹錫悦大統領と初めての電話で「米国の造船業は韓国の助けと協力が必要だ」と話した。米国海軍の戦艦219隻は中国の234隻より数的に劣勢で造船業基盤は崩れた。トランプ氏が指摘した韓国造船業の船舶保守・修理・整備(MRO)能力は第2次トランプ政権で韓国が寄与する余地が大きい分野だ。このようにトランプ氏とインナーサークルの耳をつかんで心をつかむことができるならば第2次トランプ政権がもたらす危機はいくらでも機会に変えることができる。

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