【中央時評】ロシア傭兵派遣と金正恩の未来(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.11.06 13:17
切迫した状況の2人の男が掛け金を合わせた。金正恩(キム・ジョンウン)はロシアに砲弾を売り、今は人まで投資している。プーチンは掛け金を増やして西側に「お前たちが退け」というメッセージを伝えた。タイミングも合わせた。米大統領選挙の前には有権者の票を狙い、今はもう新しく選出された大統領に圧力を加える。プーチンの賭けは成功するだろうか。ドナルド・トランプ候補が当選する場合、休戦や終戦が推進される可能性が高い。しかし欧州のNATO(北大西洋条約機構)加盟国や米国内部の反対にぶつかって意図した通りにならないこともある。現在としては欧州国家が防衛費用をより多く負担する条件で妥協するという見方が多い。この場合、米大統領選挙の結果とは関係なく戦争は続く。
戦争が続く場合、プーチンはロシアの青年の代わりに北朝鮮の若者を戦争に追加で投入することを望むだろう。金正恩もすでに戦争に足を踏み入れただけに、プーチンの要請を断るのは難しいはずだ。では両首脳は何をやり取りするだろうか。現在、金正恩の一次的な関心は外貨だ。北朝鮮は対中貿易で年20億ドルほどの赤字を出している。その半分は他の手段で充当できるだろうが、半分はあちこちの外貨をはたいて埋めるしかない。今年上半期の北朝鮮の対中輸入額はコロナ以前の2019年上半期の3分の2にすぎない。コロナ期間に必要な財貨を輸入できなかった点を考慮すると、かなり少ない金額だ。それでも現在、米ドルに対する北朝鮮ウォンの価値は年初比で半分になった。北朝鮮政権が使える外貨が大きく不足しているという信号だ。1人あたり月2000ドルを受けて4万人の軍人を戦場に送る場合、当分は為替を心配する必要がない。金正恩には魅力的な提案だ。