【時視各角】尹大統領、「竜山の矛盾」を拒否すべき
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.10.02 14:05
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の支持率急落を見ながら、皮肉にも政権発足当時の雄壮な場面が思い浮かんだ。2年半前に青瓦台(チョンワデ、旧大統領府)を出た瞬間がその一つだ。「帝王的大統領制を下ろす方式があまりにも帝王的ではないのか」という指摘にも尹大統領は断固としていた。「政府を担当する人の自己哲学と決断も重要だ」とし、大統領室竜山(ヨンサン)移転を強行した。「国家最高意思決定者が働く姿を国民が見ることができ、露出しているということ自体が、わが国の民主主義の発展をはるかに早める」という抱負は頼もしかった。
尹大統領は国民との「精神的交感」を民主主義の重要な要素と考えた。かなり前のことだが、記者らとの出勤前の問答「ドアステッピング」も似た趣旨だった。不快な質問も国民の前で受けて、すべての責任を自ら負うという大統領の初心は鮮明だった。帝王でなく公僕への換骨奪胎、大統領の視線は国民の目に合わされた。