金建希（キム・ゴンヒ）大統領夫人の対国民謝罪をめぐり与党内の意見が分かれる中、大統領室が金氏が自ら謝罪する可能性に言及した。ただ、時期・方式・程度をに関してはさまざまな意見があり、悩みが深まっている。

大統領室の関係者は１日、電話で「金氏は国民に誠意のある謝罪をしなければいけないという考えを持っている」と話した。金氏は７月、ブランドバック授受およびドイツモータース株価操作疑惑に対する検察の非公開調査で「心配をかけて国民に申し訳ない」と述べた事実が弁護人を通じてメディアに公開された。中央日報に言及した「誠意のある謝罪」とは、当時とは違って金氏が自ら公開的に謝罪することを意味するものとみられる。ただ、大統領室の関係者は「すべてのことには順序がある。多様な意見を聞いていて、もう少し悩む時間がなければいけない」と話した。

大統領室の悩みが続くのは、金氏に対する検察の捜査が終結していない影響が大きい。ブランドバック授受疑惑は「嫌疑なし」となってもドイツモータース株価操作疑惑事件の結論が残っている。ブランドバックに関しても、金氏に対して不起訴を勧告した検察捜査審議委員会が金氏にブランドバックを渡したチェ・ジェヨン牧師には起訴を勧告し、検察の捜査に対する野党の攻勢が強まっている。李昌洙（イ・チャンス）ソウル中央地検長は先月２６日、捜査審議委の決定とは違い、金氏とチェ牧師に対する不起訴結論を沈宇正（シム・ウジョン）検察総長に報告した。

先月、ドイツモータース事件の控訴審で金氏のように投資家の役割をしたソン某氏が株価操作ほう助の容疑で有罪判決を受けたのも納得しがたい。与党関係者は「検察捜査審議委とドイツモータース控訴審ともにすっきりと終わったとすれば、大統領室も金氏が謝罪する絵を描いたはず」とし「今は多くのことがこじれている」と話した。大統領室の関係者は「いま謝罪をする場合、野党は検察の捜査に影響を及ぼそうとするものだと批判するはず」とし「参謀の間でも『今ではない』という意見が優勢だ」と伝えた。

しかし「金建希リスク」に対する懸念が深まるのは大統領室・与党全体の悩みだ。尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は早ければ２日、金建希夫人および殉職海兵特検法に対する拒否権を行使する予定だ。その後、国会で再議決される予定だが、親韓（韓東勲国民の力代表）派の一部では「離脱票が出ないとは断言できない」という声も出ている。

親韓派の申志鎬（シン・ジホ）戦略企画部総長はこの日、ＫＢＳ（韓国放送公社）ラジオ番組で野党の尹大統領弾劾の動きに関し「金氏の問題を弱点とみて集中攻撃をするようだが、この問題をうまく防御して管理することが重要だ」とし「率直な謝罪をするはず」と話した。張東赫（チャン・ドンヒョク）最高委員も最近、金氏特検法再表決を控え、金氏の謝罪表明の必要性に関し「直接表明する必要がある。早いほどよい」と述べた。韓東勲（ハン・ドンフン）国民の力代表も先月、あるインタビューで金氏のブランドバック授受疑惑に関し「明白なのは不適切な行為であり謝罪しなければいけないということ」と語った。

大統領室は親韓派の公開謝罪要求に対しては政府・与党の葛藤を懸念して公開的な反応を控えている。しかし一部では最大野党・共に民主党の李在明（イ・ジェミョン）代表に対する検察の求刑以降、司法リスクが現実化した状況で「いつよりも与党の団結が重要な時点」という声も出ている。大統領室の関係者は「野党は李代表の有罪判決を防ごうと検事と判事の弾劾にまで言及している」とし「この問題に対する与党の声はあまり聞こえない」と話した。