尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が１７日、江原（カンウォン）最前方部隊の陸軍第１５師団を訪問し、秋夕（チュソク）連休中にも軍事対応態勢を維持している軍将兵を激励した。また、医療機関として今年新たに登録された第１５師団医務大隊の応急診療体系も点検した。

この日、大統領室の鄭恵全（チョン・へジョン）報道官は書面ブリーフィングでこのように明らかにした。

鄭報道官によると、今回の訪問は、秋夕連休期間にも隔地・奧地の最前方部隊で国土防衛に献身する部隊を訪れて将兵を激励しようという尹大統領の意向によるものだ。特に第１５師団医務大隊は陸軍で初めて軍人の家族と地域住民の全体に医療サービスを提供する部隊でもある。

先に尹大統領は第１５師団医務大隊の「勝利医院」を訪れた。勝利医院は第１５師団医務大隊の医療機関登録名で、今年５月に医療機関として登録された後、医療施設が少ない地域の住民に開放して医療サービスを提供している。尹大統領が昨年１２月に第５師団を訪問した際、軍人の家族や地域住民が近くに病院がないため大きな都市まで出て行かなければいけないという声を聞いた後、師団医務大隊の医療機関登録を積極的に推進し、軍人の家族と地域住民が利用できるようにした結果だと、大統領室は伝えた。

尹大統領はカン・ヒョンウ第１５師団長から勝利医院の現況に関する報告を受け、華川郡（ファチョングン）地域の住民および軍の家族とあいさつを交わした後、歯科、小児青少年科、眼科、救急室を点検した。

カン師団長は「医師、韓医師など計６９人が勤務中であり、５月までは小児科、眼科、応急センターがなく、軍人の家族や地域住民が１時間ほど離れた春川（チュンチョン）まで行かなければならなかったが、医療機関として登録された後、計５２６人の患者が来院して診療を受けた」とし「華川郡地域の住民は感謝の意を表す垂れ幕まで設置した」と伝えた。

これに対し尹大統領は「昨年末の第５師団訪問当時、軍人の家族と地域住民の苦衷を聞いて気の毒だった」とし「政府は前方の師団医務大隊の医療機関登録を積極的に推進し、その結果、勝利医院も地域に必要な必須装備を補強し、地域の医療機関として再誕生した」と話した。

続いて「軍の病院が発展してこそ真の先進国軍隊」とし「秋夕連休中の勤務に感謝している。第１５師団医務大隊が軍の医療の空間となるよう頑張ってほしい」と激励した。その後、大統領は戦闘統制室を訪問し、師団長から軍事対応態勢に関する報告を受けた。尹大統領は「第１５師団は韓国戦争（朝鮮戦争）当時に江原道高城（カンウォンド・コソン）地区戦闘で敵の第７師団を壊滅させた無敵の勝利部隊として李承晩（イ・スンマン）元大統領が称号を与えた立派な伝統を持つ部隊」とし「輝かしい歴史と名誉にふさわしく師団全体が確固たる対応態勢を備えていて頼もしい」と述べた。

尹大統領は初級幹部とも懇談会を開き、ＧＯＰ（一般前哨）中隊長、父と姉が現役将校として勤務する小隊長、ＤＭＺ（非武装地帯）作戦を無事に１９５回遂行した捜索大隊本部中隊長、小銃中隊長、砲兵大隊情報将校など初級幹部一人一人に苦衷がないか、教育はどう受けるのか、軍幹部志願の動機は何かなどと尋ねながら「生来の軍人たち」と語った。

その後、尹大統領は師団査閲台に移動して現場に集まった約５００人の師団の将兵を励ましてて記念写真を撮影した。尹大統領は師団の将兵らに「国軍将兵の皆さんのおかげで国民が連休中に休んで再充電することができる。国防、安保は国家機能のうち最も重要であり、国家経済は国家安保の上で成り立つ」と述べた。

また「人生の最も美しい時期に国家のために献身する今この時期が、皆さんにとって将来この上なく大きな光栄と誇りになるようにしたい」とし「国民を代表して感謝し、常に健康であることを祈る」と話した。

さらに尹大統領は「秋夕にも苦労している皆さんのために松餅（ソンピョン）を準備してきた」として松餅セット１０００個を部隊に提供した。

尹大統領は将兵と一人ずつ握手をし、スマホの写真撮影にも快く応じた。査閲台では１２日に国家報勲部「制服勤務者感謝キャンペーン」に報勲基金として１億ウォン（約１０６０万円）を寄付したグループ防弾少年団（ＢＴＳ）のリーダー、キム・ナムジュン（ＲＮ）上等兵も共にした。キム・ナムジュン上等兵は昨年１２月に現役に入隊し、現在第１５師団軍楽隊で服務中だ。

一方、この日の訪問には金竜顕（キム・ヨンヒョン）国防部長官、カン・ヒョンウ師団長をはじめとする師団幹部・兵士と家族、崔文洵（チェ・ムンスン）華川郡守、イ・ジェソン華川郡保健医療院長らが出席した。大統領室からは申源湜（シン・ウォンシク）国家安保室長、イン・ソンファン国家安保室第２次長、チェ・ビョンオク国防秘書官などが出席した。