韓国銀行が３年間に約１８兆ウォン（約１兆９０６７億円）分の紙幣を多く製造していたことが明らかになった。

国会企画財政委員会所属の鄭泰浩（チョン・テホ）議員（共に民主党）が１０日に韓国銀行から提出させた資料を分析した結果、韓国銀行はこの３年間に貨幣約５９兆９５５０億ウォン分を製造したが、実際に市場に供給したのは約４２兆１７７９億ウォンにとどまった。

韓国銀行は２０２１年に５兆２１１０億ウォン、２０２２年に１０兆２７１億ウォン、２０２３年に２兆５３９０億ウォンをさらに発注し３年連続で予測に失敗した。

専門家らは「経済官庁と韓国銀行のミスマッチ要因が大きい」と分析した。高麗（コリョ）大学経済学科のカン・ソンジン教授は「景気低迷と内需不振深化に対する観点が違ったようだ。韓国銀行は通貨が増えると予想して貨幣を多く製造したが、政府は財政赤字幅を減らすために貨幣をあまり供給しない方向を選んだもの」と話した。

韓国銀行がこの３年間に貨幣を発注するのにかけた費用は、２０２３年が１０７１億ウォン、２０２２年が１１９７億ウォン、２０２１年が１２７９億ウォンだった。これは２０２０年の１０８３億ウォン、２０１９年の９５１億ウォンなど過去より１００億ウォンから３００億ウォンの費用差があった。

鄭議員は「昨年５６兆ウォンの税収不足の中で誤った貨幣発注により使わなくても良かった数百億ウォンが浪費されたもの。金利を決める機関が予算を浪費したというのは自ら信頼を落とすもの」と指摘した。

韓国銀行は「新型コロナウイルスという例外的な状況のため予測が難しかった。非常状況による経済的混乱を防ぐためには貨幣が不足するよりは十分に保有するほうが良い側面がある」と説明した。