【コラム】退任する岸田首相の経済的遺産
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.09.09 11:26
今月退任する岸田文雄首相の経済政策をどのように評価すべきだろうか。現在進行中である賃金主導成長と安定したインフレに対する彼の寄与を過大評価してはならない。彼の在任期間に賃金上昇が加速化したのは単に労働力不足が構造的にさらに深刻化したためだ。
岸田氏が在任中に主導した最も重要な変化は2023年3月に植田和男氏を日本銀行総裁に任命したことと、これに伴う通貨政策正常化を受け入れ長期間続いた超低金利政策から抜け出し始めたことだ。「通貨緩和だけで経済問題を解決できる」という単純な主張はすでに安倍政権(2012~2020年)末期に影響力を喪失したが、岸田氏は通貨政策正常化という苦痛な過程をいまこの時点まで相当に進展させた。