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「国民が無視された」仏全域で11万人のデモ…新首相任命の影響長引く

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.09.09 08:36
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「選挙を盗まれた」

「国民を無視している」

 
このようなスローガンを掲げたデモ隊が7日(現地時間)、フランス全域で通りを練り歩いた。5日、マクロン大統領が右派共和党出身のミシェル・バルニエ元農水産相を新首相に任命したのに伴う反発が連日続いている。

特に今回の総選挙で1位を占めた左派連合「新人民戦線(NFP)」内の最大勢力であり、極左政党「不屈のフランス(LFI)」などが今回のデモを主動する局面だ。この日パリ集会に出席したLFIのジャン=リュック・メランション代表は「長い戦いになるだろう」とマクロン政府に宣戦布告した。

フランス内務省によると、この日西部ナント、南部ニース、東部ストラスブールなど全国150個所余りで11万人余りが首相任命反対デモを行ったことが暫定集計された。特にパリでは全国の中・高校生連合のメンバーを含む2万6000人が集まったことが把握された。

地元紙ルモンドなどによると、「唯一の解決策は弾劾」「バルニエ反対、カステット(NFPが推した首相候補)賛成」などが書かれたプラカードを手にしたデモ隊は「マクロンのクーデター反対」「国民は無視された」などのスローガンを叫んだ。

バルニエ首相任命直後、「選挙を盗まれた」として抗議していたメランション氏もこの日パリの行進に参加した。メランション氏は「長い戦いに臨むよう求める」とし「民主主義は勝利を認めることができる技術であり、敗北を受け入れる謙遜」とマクロン政府の決定を叱責した。

フランス左派勢力の反発は次第に広がる雰囲気だ。「バルニエ政府に参加する人は真の左派ではない。バルニエ政府に参加しない」(マリン・トンデリエ緑の党代表)、「この怒りは私だけでなく投票に参加した数百万のフランス国民の怒り」(マノン・オーブリーLFI欧州議会議員)など連日批判が続いている。

フランス世論調査機関「Elabe」が6日に発表した調査によると、回答者74%は「マクロン大統領が総選挙の結果を無視したと考える」と答えた。さらにこのうち55%は「大統領が選挙結果を盗んだと信じている」と明らかにした。

◇バルニエ氏は「与党少数・野党多数」局面の突破用?

マクロン大統領のバルニエ首相任命は「与党少数・野党多数」局面を突破するカードではないかとみられている。

今回の総選挙で下院全体577議席のうち182議席を獲得して議会多数党になったNFPと、与党に批判的な極右政党「国民連合(RN)」(143議席)の議席数を合わせると、過半をはるかに超える。このような状況で政府与党のアンサンブル!(163議席)とバルニエ首相が属した共和党を含む右派(68議席)の議席数を見ると、すぐには理解できない側面がある。だが「水と火」のように絶対に一緒になれないNFPとRNの関係を考慮すると、悪くない選択肢という分析もある。マクロン政府内では総選挙で勝った左派推薦候補を首相に座らせる場合、国政運営の足を引っ張るかもしれないという懸念もあった。

また、マクロン大統領は自身と志を共にした共和党出身のガブリエル・アタル前首相の役割を新任首相が継続するだろうと期待している。AFP通信は匿名の消息筋を引用して「バルニエ氏は『マクロンとお似合いの人物』なので、議会から直ちに追い出されることはないだろう」と伝えた。今後、同居政府の主導権はマクロン大統領が握るだろうという展望がある。

一部ではバルニエ首相が下院の「政府不信任案」投票に耐えうる人物だとみている。大統領制と議院内閣制を混合した二元的政府制であるフランスでは、憲法上の大統領が希望の人物を首相に座らせることができる。任命前に議会の人事聴聞会が開かれる韓国とは違い、内閣構成後に議会が不信任投票に付することができる。そのため歴代3政府で長官を務めるなど長年の政治キャリアによって老練さを備えたバルニエ首相がこれに耐えることができるだろうという見方もある。

1958年以降のフランス第5共和国体制で歴代最高齢のバルニエ首相は73年サボワ地域議会の議員として政界に入門した後、78年下院議員に初当選した。フランソワ・ミッテラン政府で環境相(93~95年)、ジャック・シラク政府で外相(2004~2005年)、ニコラ・サルコジ政府で農水産相(2007~2009年)を務めた。2016年ブレグジット(Brexit・英国の欧州連合脱退)を議論する時、欧州連合(EU)側交渉代表として活躍して「Mr.ブレグジット」というニックネームを得た。

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