韓国と米国が４日、１１月の米大統領選挙を前後して北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイル発射のような重大挑発に出る可能性があると評価し、即時対応の方針を協議した。

韓米の外交・国防当局はこの日、ワシントンＤＣの米国務省で第５回拡大抑止戦略協議体（ＥＤＳＣＧ）会議を開いた。韓国側からは外交部の金烘均（キム・ホンギュン）第１次官、チョ・チャンレ国防政策室長が、米国側からはジェンキンス国務次官、アバクロンビー国防次官代理が参加した。

ＥＤＳＣＧは韓半島（朝鮮半島）とインド太平洋地域の安全保障と関連した戦略的・政策的事案を議論・調整する韓米間の核心定例協議体だ。ＥＤＳＣＧは２０１６年に初めて開かれ、韓米は２０２２年の第３回会議から年１回の定例化に合意した。

韓国外交部の金第１次官はこの日の会議後の記者会見を通じ、「韓米は北朝鮮の（対ロシア）武器提供の見返りとしてロシアが先端技術と部品を北朝鮮に支援する可能性と、米大統領選挙を前後した重大挑発の可能性を鋭意注視している」と明らかにした。

金次官は「北朝鮮は核とミサイルの能力増進を止めずにおり、最近では衛星利用測位システム（ＧＰＳ）の妨害や汚物風船の散布など低劣な挑発を通じて実質的被害を引き起こした」と批判した。続けて「韓米両国の外交国防当局は６時間にわたる突っ込んだ議論を通じて韓米間の全方向的拡大抑止共助網を点検した。双方は今回のＥＤＳＣＧ会議で最初に危機状況シナリオに基づいた討議を進めた」と話した。

また「危機状況時に効果的な抑止と対応オプションに対し両国の外交国防当局が具体的なシナリオを持って深い議論を進め相互理解を向上し、今後の議論の発展的土台を用意した」と今回の会議を評価した。

国防部のチョ政策室長は「北朝鮮は国際社会の強力な反対にもかかわらず依然として核ミサイル能力に対する執着を捨てずにいる。韓米は北朝鮮の核脅威問題をはじめとする域内安全保障環境に影響を及ぼす多様な要因を評価して同盟の政策的共助をさらに強化することにした」と明らかにした。続けて「特に最初に北朝鮮の核脅威状況を仮定したシナリオ基盤の討議を実施することによって実際に適用できる多様な案を模索する時間を持った」と話した。

アバクロンビー国防次官代理はこの日の記者会見で「きょうの議論の性格は機密に該当するが、米国は２０２２年の核態勢検討などを通じて米国の核兵器はわれわれ自らを核と戦略的攻撃から保護し抑止するだけでなく、同盟国とパートナーに対してもそのようにする考えである点を明確にしてきた。北朝鮮の米国または同盟国とパートナーを狙ったいかなる核攻撃も容認できず、政権の終末という結果につながるだろう」と話した。

韓米「米大統領選挙前後に北朝鮮の重大挑発の可能性」…北朝鮮の核シナリオ対応で初めての議論（２）