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皮膚病よりも厄介な広告、ネットローンに捕らわれた中国の青年たち(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.07.19 11:58
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今月初め「#ネットローンに捕らわれた若者たち」という検索語が中国のインターネット上で話題になった。先日、ある中国現地メディアがネットローン融資資金の償還の沼にはまった青年たちを扱いながらだ。停滞した経済成長、深刻な青年失業率と重なってネットローンがもたらした弊害は最近、中国で熱い社会問題に浮上した。

中国法治日報は2日、生活費、学資金などを理由にネット簡易融資を受けて借金地獄に陥った中国の若者を集中的に報道した。大学時代に不足した生活費のため小額融資サービスを受け、返済のため融資を繰り返し受けながら負債が増えた林芳さん、電子製品購買のために借りた資金を返そうと9件の融資サイトを利用して1年間で8000元(約17万円)の負債が8万元に膨らんだ江睿さん、就職訓練プログラム登録のために融資アプリ(APP)で2万元を借りて返せなくなった求職者の張保さん。それぞれの理由で融資を受けたが、家族や周囲の人までが返済の督促に巻き込まれている。

 
中国の青年の負債状況はどれほど深刻なのだろうか。中国人民銀行が2023年に発刊した「中国金融安定報告」によると、2022年の中国全体のネット融資総額3兆8000億元のうち満35歳未満の青年に対する融資額が60%を超えた。このうち約35%の青年は多重債務者だった。2019年に調査機関ニールセンが中国の青年層(19-29歳)を対象に調査した「中国青年負債現況」によると、86.6%の中国の青年が信用融資商品を利用し、44.5%は実際に負債があった。

中国銀行の子会社・中銀消費金融による2021年の「当代青年消費報告」は、全国1億7500万人にのぼる「90後」(90年代生まれ)のうち債務が全くない人は13.4%にすぎず、60%以上は「生活の質の向上」「余暇」などの目的で融資を受けたと分析した。消費型融資の年齢分布でも「90後」が49.3%で半分を占め、次いで「80後」(80年代生まれ)が31.5%で後に続いた。

中国の青年世代の負債問題に対する現地メディアの見方は大きく2つある。中国青年の過消費習慣と低い金融常識を叱る声と、氾濫する不法広告や詐欺融資などネットローン業界の弊害を指摘する声だ。中でも巧妙で執拗な不法広告と、容易で迅速だがワナが多い簡易手続きは中国の青年を「借金の泥沼」に導く最も大きな要因の一つだ。

澎湃新聞と法治日報は中国のネットローン広告を悪性皮膚病の「乾癬」に例えた。時を問わず出てきて、消えることもなく、人が耐えがたいほどいら立たせるからだ。中国では動画プラットホーム、SNSなどどのアプリを使用しても、ポップアップのネットローン広告が随時表示され、ある広告は「閉じる」ボタンが巧妙に隠されている。カメラ、充電、天気、タクシー、旅行、配達など生活型アプリでもプッシュ型広告を避けることができない。地下鉄やエレベーターなどオフライン空間にもネットローン広告は随所に散在する。

さらに執拗な融資広告はショッピングアプリにある。決済の過程で分割払いと誤認しやすい新規融資オプションがすでに選択されていて、よく見なければ知らないうちに申請することになる。決済ページに移ればキャッシュバックイベントのように見えるポップアップ融資広告も随時出てくる。ポップアップが消えないケースも多い。あるショッピングアプリは決済する際、自動的に融資申し込み画面に移ったりする。最もあきれるのは、誤って融資を申請してしまうと、一括償還はできず強制的に分納となり、利子を支払わなければならないケースだ。

中国ネットローンの申請手続きが過度に容易である点も大きな問題だ。アプリダウンロード、身分証撮影、顔認識、必須個人情報の記載をすればすぐに融資を受けることができるプラットホームがほとんどだ。本人の信用点数が低ければ他人の名義でも容易に申請できるほど融資審査が徹底されていない。アプリを通じて数分間で特別な審査もなく融資を受けることができるという致命的な手軽さが、中国の青年を泥沼に導いているということだ。

皮膚病よりも厄介な広告、ネットローンに捕らわれた中国の青年たち(2)

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