【時視各角】富裕層と人材が出ていく国、韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.06.27 16:21
10年ほど前に「ヘル朝鮮」という言葉が流行した。米日刊紙ワシントンポスト(WP)が「韓国の青年たちは自国を『地獄(hell)』と呼んで脱出方法を探している」という企画記事(2016年1月31日)を掲載するほどだった。記事では「金の匙」と「土の匙」に代弁される貧富の差の相続、長時間労働、低賃金非正規職の増加などに対する青年の挫折感が紹介された。2024年の韓国はどうか。さらに深刻な状況だ。住宅価格は暴騰し、安定した会社への就職はなおさら難しくなった。その象徴的な結果が世界最低の出生率だ。今年1-3月期の合計特殊出生率は0.76と、過去最低値を更新した。
ここに新しい現象が加わっている。その一つが富裕層の韓国脱出だ。英国の投資移民コンサルティング会社ヘンリー&パートナーズは韓国の高額純資産保有者(投資可能流動資産100万ドル以上)の純流出が今年1200人に達すると予想した。中国(1万5200人)、英国(9500人)、インド(4300人)に続いて世界で4番目に多い。韓国の富裕層の純流出は2022年の400人から昨年は800人に増え、今年はまた50%増えるということだ。習近平体制で監視と統制が激しくなった中国、ブレグジット以降の景気沈滞に苦しむ英国はそうだとしても、韓国が4位というのは意外だ(5位はウクライナと戦争中のロシア)。富裕層の内部事情はそれぞれ異なるだろうが、世界最高水準の相続税をはじめとする税金負担も関係がありそうだ。富裕層の純流入が多いアラブ首長国連邦・米国・シンガポールなどは税負担が韓国よりはるかに低い。