【コラム】韓国軍訓練兵死亡事件 「私の息子だけここにない」という母の叫び
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.06.20 15:58
昨日(19日)は中隊長の軍紀訓練を口実にした時代錯誤的な過酷行為で新兵訓練所入所10日目に死亡したパク某訓練兵の同僚訓練兵の修了式があった日だった。悲劇的な事故がなかったとすれば、5週間の訓練を終えたパク訓練兵もこの日、他の兵士と同じく、数時間でも息子と一緒に過ごそうと遠くから来た親と共に貴重な時間を送っていたはずだ。しかし入隊当日に父母に向かってぎこちなく生涯初の「忠誠」敬礼をし、練兵場で母親を背負った息子は、もうこの世にいない。息子がいるべき場所には、修了式に出席した同僚兵士の親が一輪ずつ置いた菊の花250輪の花だけがあった。
江原(カンウォン)警察庁は息子の死亡から17日が経過してから加害者に指定された中隊長を初めて召喚し、24日後の修了式の前日に中隊長(大尉)と副中隊長(中尉)に対して職権乱用過酷行為と業務上過失致死容疑を適用して検察に拘束令状を申請し、春川(チュンチョン)地検は19日に令状を請求した。訓練兵を統率する助教や小隊長でなく中隊長が軍紀訓練をさせる極めて異例なことが起こり、また軍警察の初期調査と同じく実際に過酷行為があったと判断しながらも故意性が認められる傷害致死容疑を適用しなかった。過去にも繰り返されてきたことなのか、なぜ中隊長が無理な軍紀訓練をさせたのか、中隊長が女性であることを意識した軍の過剰保護はなかったのかなど、事件初期に提起されたいくつかの疑問は依然として何一つ明らかになっていない。軍は「警察が捜査中であり把握していることはない」という言葉を無限に繰り返していて、警察の捜査は非常識的に遅い。